『マイ・エレメント』はコロナ禍のリモートワークが生んだ奇跡? スタッフが語る制作秘話
作品にも反映された、ユーモア溢れるピーター・ソーン監督の人柄
ーー『マイ・エレメント』のストーリーに関する部分で、特に心を動かされたシーンについて教えてください。
タルボット:この映画には監督のピート自身の経験がたくさん入っているんですが、僕はピートの家族がニューヨークに移住してきたエピソードを盛り込んでいる部分にとても感動しました。僕たちはピートのために、それらの部分をしっかり支えたいと思いました。僕自身はカナダ出身で、高校時代にアメリカに引っ越してきました。なので、最初はあまり馴染めなかったという気持ちが理解できます。そういったピートのパーソナルなストーリーを語るお手伝いをさせてもらえることを光栄に思いました。
ーーそんなピーター・ソーンさんの監督としての魅力はどこにあると思いますか?
タルボット:彼の持つ繊細さとユーモアのセンスは、とてもユニークだと思います。『マイ・エレメント』はとてもパーソナルで、優しさのある映画。ピートが作った奇妙でクリエイティブな世界にいるキャラクターを見るのは楽しいですし、誰にとっても観やすい映画でもあります。この映画には、クリエイティビティ、ユーモア、繊細さが詰まっています。『マイ・エレメント』はピクサーの中でも特別な映画です。家族に対する思いやお互いを理解しようとする気持ちなど、誰もがどこかで共感できるはず。それでいて笑いもたっぷりあります。ピートと一緒に仕事をするのは楽しかったですし、ユーモアのあるピートの人柄は、映画にも反映されていると思います。
ーー改めて『マイ・エレメント』の経験を振り返ってのいまの気持ちを教えてください。
タルボット:全力でダッシュした感じですね。とにかくこの作品における一番大きなチャレンジは、どこから始めればいいかわからないことでした。なので最初はとにかく何かを見つけようとすごく速いスピードで仕事をしました。そこで何か気に入るものが出てきたら、そこから発展させていったのです。僕らの間には優れたコミュニケーションとチームワークがありました。どう問題を解決すればいいのか、少なくとも問題を解決するためにどう話し合えばいいのかを知っていました。こういう大規模な作品では、普段、ほかの人たちとここまで親密になることはありません。ですが『マイ・エレメント』の場合は、リモートワークだったことや、初期の頃にどうすればいいのかまるでわからなかったことのおかげで、僕たちはお互いととても仲良くなったと思います。
■公開情報
『マイ・エレメント』
全国公開中
監督:ピーター・ソーン
プロデューサー:デニス・リーム
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2023 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
公式サイト:https://www.disney.co.jp/movie/my-element