『VIVANT』松坂桃李がダークヒーローの魅力を発散 別班・公安・テントの三つ巴に突入
8月6日放送の『VIVANT』(TBS系)第4話では、バルカへの誤送金の黒幕が明らかになった。
送金データを改ざんしたのが財務部の太田(飯沼愛)だったことがわかり、公安の野崎(阿部寛)は身柄確保に向かうが、自宅に太田の姿はなかった。押収された名人落語のCDにはハッキングの記録が残されており、太田は世界的に名を知られるハッカーのブルーウォーカーと判明。太田の残したデータにテントや別班に関する情報は皆無で、何者かが背後で操っていると思われた。
野崎は、誤送金の犯人がテントまたは別班の関係者である、という仮説を前面に出して捜査を進める。ちなみに別班は自衛隊の非公式な精鋭組織を指す。ここでの乃木(堺雅人)は誤送金事件に巻き込まれた被害者であり、同時に野崎に要請されて丸菱商事の内部情報を提供する公安の協力者である。専務の長野(小日向文世)、エネルギー事業部部長の宇佐美(市川猿弥)、乃木の部下の水上(古屋呂敏)、経理部長の原(橋本さとし)に次々と接触するものの、テントや別班とのつながりは見られない。それもそのはず、本丸は別にいたからだ。
誤送金編が完結した第4話は、『VIVANT』という作品の性格を明確にするとともに、第5話以降の展開も示唆していた。ビジネス上のトラブルをめぐる国境を超えた冒険の体裁を取った本作は、第3話で舞台を日本に移してからは、暗躍するテロ組織との闘いが中心になり、第4話にして謎に包まれた別班がそのヴェールを脱いだ。
「別班」を口に出した山本(迫田孝也)はなんか怪しかったわけだが、それ以上に怪しいのは乃木で、乃木はテントの尻尾をつかむために、野崎に協力するていで社内部の捜査を進めながら、情報源の山本を尋問しようとしていた。いざ山本を確保する段になって、公安から山本をかすめ取ったのは当初の予定通りだろう。それを実行したのは、別班で乃木の後輩にあたる黒須(松坂桃李)だった。見せ場でさっそうと登場し、違法とされる自白剤など目的達成に手段を選ばない松坂桃李は、視聴者の脳裏にダークヒーローのイメージを刻んだ。