ジェーン・バーキンの訃報に各界から悲しみの声 シャルロット・ゲンズブールも声明を発表

追悼ジェーン・バーキン

 フランス現地時間7月16日、女優・歌手として活動していたジェーン・バーキンが76歳でこの世を去った。イギリス生まれでありながら14歳という若さでフランスに渡り、映画界のみならずファッション業界にも多大な功績を残したバーキン。その活躍とともに、様々なエピソードを振り返っていきたい。

 バーキンはイタリアの巨匠ミケランジェロ・アントニオーニ監督初の英語作品である『欲望』(1966年)に出演。アントニオーニの「愛の不毛3部作」の一つである『欲望』は、第20回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞し、アメリカン・ニューシネマに多大な影響を与えた。バーキンはザ・ブロンドというモデル志望の少女を演じており、カラフルなミニ丈のワンピースにカラータイツという姿で登場。60年代フランスのファッションを象徴したルックは今なお色褪せない魅力を持つ。その後は『太陽がいっぱい』(1960年)のアラン・ドロンとモーリス・ロネが再共演した『太陽が知っている』(1969年)や、アガサ・クリスティの同名小説を映画化した『ナイル殺人事件』(1978年)に出演。ヌーヴェルヴァーグの中心的人物であるジャック・リヴェット監督の『美しき諍い女』(1991年)のリズ役など、様々な映画で名監督たちに愛されてきた。

『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』(写真提供:ALBUM/アフロ)

 プライベートでは『スローガン』(1969年)で共演したセルジュ・ゲンズブールと事実婚の関係になる。ゲンズブールとのデュエット曲「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」で歌手デビューを果たすが、この曲の非常に過激な内容が物議を醸すことに。だが、ゲンズブールは自らがメガホンを取り、曲と同名のタイトルでバーキンを主演に『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』(1976年)として映画化する。日本では、2021年に4K完全無修正版で劇場公開され話題となった。ゲンズブールとバーキンはフランスのアイコン的カップルであり、カルチャーの礎の一つになった。

(左から)シャルロット・ゲンズブール, ジェーン・バーキン(写真提供:ALBUM/アフロ)

 ゲンズブールとの間にできた娘のシャルロット・ゲンズブールと、ジャック・ドワイヨンとの間の娘であるルー・ドワイヨンはこの訃報に対して共同でコメントを出した。「ジェーン・バーキンは、16年にわたるあくなき闘病生活の末にこの世を去りました。2021年9月に脳卒中で倒れて以来、彼女の家族と素晴らしい看護スタッフが昼も夜も彼女のそばに寄り添っていました」「この数日、彼女は再び歩けるようになり、オリンピア劇場での公演の予定を変更し、自立を取り戻す決意を固めていました。その最初の夜が、彼女にとって最後の夜になるだろう。彼女は決めたのに」(映画『ジェーンとシャルロット』公式Twitterより)

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