スタジオジブリ作品の海外版は1度で2度楽しめる 英語吹き替えを担当する豪華な俳優陣

スタジオジブリ作品の英語吹替版は豪華スター

 「私、キキです! こっちは黒猫のジジ」というセリフでもよく知られている『魔女の宅急便』(1989年)の英語版では、魔女のキキを『スパイダーマン』シリーズのメリー・ジェーン・ワトソン役や『マリー・アントワネット』(2006年)のマリー・アントワネット役で知られるキルスティン・ダンストが演じている。ダンストは幼少期に役名と同じくキキと呼ばれていたという微笑ましいエピソードが残っている。

『魔女の宅急便』©1989 角野栄子・Studio Ghibli・N

 日本では、「ぽーにょ  ぽーにょ  ぽにょ  さかなの子〜」というエンディングテーマも有名な『崖の上のポニョ』(2008年)の英語版では、ポニョを歌手マイリー・サイラスの妹、ノア・サイラスが演じている。また、ポニョの母・グランマンマーレを演じたのは、ケイト・ブランシェット。ブランジェットは『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのガラドリエル役などでよく知られているが、最近でも『TAR/ター』(2022年)で主人公のリディア・ターを演じている。リディアはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団における女性初の首席指揮者であり、その地位と評価によって得た権力によって揺れ動いてしまう。その内容とブランシェットの熱演により、『TAR/ター』は話題となった。

『崖の上のポニョ』©2008 Studio Ghibli・NDHDMT

 このように、豪華俳優陣が吹き替えを務める英語版のジブリ映画。今すぐ観てみたい人もいるだろうが、動画配信サービスがさまざまある現在でも、残念ながら日本では配信はされていない。これらの映画を観るには、北米版のBlu-rayを買う必要がある。だが、字幕版にすれば日本版声優キャストで楽しむことができ、英語吹き替えにすれば先に紹介したような英語版声優キャストで楽しむことができる。そう考えると1度で2度おいしい。興味をそそられた人はぜひ、探してみてほしい。

 いよいよ公開になった『君たちはどう生きるか』。日本公開日の翌日となった7月15日、早くも本作が、『The Boy and the Heron』(日本語訳:少年とサギ)の英題で2023年後半に北米公開されることも発表された。吹き替えを務める声優はまだ発表されていないが、誰が担当するのか、今からワクワクしてしまう。

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