菅井友香の“俳優”としての強度 櫻坂46キャプテンから『チェイサーゲームW』に至る軌跡

『チェイサーゲームW』菅井友香の軌跡

 ドラマシリーズ『チェイサーゲームW』(テレ東系)の続編となる映画『チェイサーゲームW 水魚の交わり』が5月15日に全国公開されることが発表された。菅井友香と中村ゆりかがドラマに続いてW主演を務め、春本樹と林冬雨の物語は、スクリーンで新たな局面を迎える。

菅井友香×中村ゆりかW主演『チェイサーゲームW』映画化決定 5月15日公開へ

菅井友香と中村ゆりかがW主演を務めたテレ東系のドラマシリーズ『チェイサーゲームW』の続編となる映画『チェイサーゲームW 水魚の交…

 本作は、ゲーム業界を舞台に、仕事の現実と個人の感情が正面衝突する関係性を描いてきた『チェイサーゲームW』の延長線上にある一作だ。責任感が強く、職場では理性的に振る舞う樹(菅井友香)は、冬雨(中村ゆりか)という存在を前にすると、正しさだけでは割り切れない揺れに引きずられていく。愛することが、時に自分と相手の選択肢を狭めてしまう――「水魚の交わり」というタイトルが示す濃密さは、その幸福と息苦しさの両方を含んでいる。

 菅井演じる樹は、職場では「頼れる人」として振る舞うタイプの人物だ。仕事には実直で、周囲にも誠実。感情よりも理屈で判断しようとする姿勢が、彼女の“強さ”として映ってきた。だが、その強さは冬雨と向き合った瞬間に揺らぎ始める。再会するたび、距離を詰めるたびに、樹は自分でも整理しきれない感情に飲み込まれていく。誰かを大切に思うほど、言えないことが増え、選べなくなる。樹が抱えるのは、恋愛の不器用さという一言では片づけられない矛盾だ。

 そうした樹の“落差”を成立させている点に、『チェイサーゲームW』の面白さがある。菅井が見せてきたのは、感情を大きく誇張する芝居ではなく、自分を保とうとするほど揺れてしまう瞬間を、会話の間や視線の動きといった細部で積み上げていく表現だった。だからこそ本作は、菅井にとって役の幅を広げるだけでなく、主演として作品を背負う手応えを確かめる場にもなっていたと言える。

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 そして『チェイサーゲームW』の魅力を支えているのが、中村演じる冬雨の存在だ。冬雨は、樹のまじめさや責任感を受け止める相手であると同時に、樹が見ないふりをしてきた気持ちを表に引き出してしまう相手でもある。中村はその冬雨を、強く言い切る場面の鋭さと、ふと弱さがにじむ瞬間の繊細さの両方で演じ分けてきた。だからこそ樹は、簡単に答えを出せない。観る側もどちらが正しいと割り切れず、2人の関係を最後まで見届けたくなる。菅井の揺れを受け止めながら、同時に冬雨として樹を揺さぶり続ける中村の演技が、この物語に緊張感を与えてきた。劇場版では、その緊張感がどんな結末へつながるのかが大きな見どころになるだろう。

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