WOWOWで韓国サスペンスを堪能! 大どんでん返し、驚愕のラストなど注目8作品を比較

WOWOWで最新韓国サスペンスを堪能!

 韓国作品といえば、ラブコメやK-ゾンビで人気を博してきたが、韓国サスペンスにも良作が多い。緻密に練られた脚本、俳優の演技力、世界観に引き込む演出が揃ってこそ成り立つため、韓国ドラマの質の高さが反映されるからだ。本国ではサスペンスのファン層が厚く、隠れた名作を見つけられることも。手に汗を握る予測不可能な展開、大どんでん返しや驚愕のラストが気になって、夜通しで一気見してしまうこともしばしば。とにかく目が離せないのが韓国サスペンスなのだ。

 WOWOWでは、7月から『悪の心を読む者たち』、『なぜオ・スジェなのか』が放送・配信される。これに合わせ、配信限定で注目の韓国サスペンスドラマもお届け。『ウォッチャー不正捜査官たちの真実』『ミッシング〜彼らがいた〜』『ザ・プロファイラー〜見た通りに話せ〜』『客-ザ・ゲスト-』『ある日〜真実のベール』『怪物』の6作品がWOWOWオンデマンドで配信中だ。そこで今回は、「ハラハラ度」「ホラー度」「重厚度」に注目し、この8作品を評価。ぜひ気になる作品を見つけて楽しんでいただきたい。

『悪の心を読む者たち』

「ハラハラ度」★★★☆☆
「ホラー度」★★★★☆
「重厚度」★★★★★

『悪の心を読む者たち』©️SBS

 『悪の心を読む者たち』は、プロファイラーが凶悪犯の心の中を読み解いていく、本格心理サスペンス。韓国初のプロファイラー、クォン・イルヨン教授と作家コ・ナムが実話ベースに執筆した同名小説が原作だ。

 1990年代後半、動機のない殺人事件が発生していた。被害者に寄り添うあまり、妥協を許さないことから周囲に煙たがれていた刑事のソン・ハヨン(キム・ナムギル)。ソウル地方警察庁鑑識係長のクク・ヨンス(チン・ソンギュ)はハヨンを評価し、捜査にプロファイリングを導入するべく犯罪行動分析チームの創設に奔走する。そんな中、女性が殺害され全裸で放置される事件が発生し、数カ月後に同じ手口で被害者が出てしまう。ハヨンは犯人の心理を探るために連続婦女暴行の罪で収監されている男のもとを通い始め……。

『悪の心を読む者たち』©️SBS

 韓国で実際に起きた連続殺人事件をモチーフに、登場する犯人の描写や携帯電話はガラケーが使用されるなど当時の様子が忠実に再現され、ドキュメンタリーのようなリアル感を味わえる。本作で2022年SBS演技大賞を受賞したのは、プロファイラーのハヨン役で主演を務めたキム・ナムギル。感受性が強く正義感のあるキャラクターを演じ、自分の心を犠牲にしてしまう苦悩やつらさを表には出さず感情を抑えて表現した演技力はお見事。また犯人役にも引き込こまれてしまうため、俳優の演技に着目するとより一層没入できる。刑事視点のストーリーだが、犯人の心理が丁寧に説明されており、視聴者が置いていかれることはない。上司のヨンスとの関係や韓国初のプロファイラーが徐々に受け入れられていく過程も見どころで、ずっしりと見応抜群のドラマだ。

キム・ナムギル主演「悪の心を読む者たち」 プロモーション映像【WOWOW】

『なぜオ・スジェなのか』

「ハラハラ度」★★★★☆
「ホラー度」★☆☆☆☆
「重厚度」★★★☆☆

『なぜオ・スジェなのか』©️SBS

 権力者の欲望と悪事、巨悪に立ち向かう主人公、ひとつの事件が複雑に絡み合い明かされていく真実、切ないロマンス……。『なぜ、オ・スジェなのか』は、韓国ドラマの定番要素が詰まっているが、テンポがよく序盤から観るのを止められず、痛快のラストまで駆け抜けたくなる一作だ。

 大手法律事務所TKローファームに務める敏腕弁護士のオ・スジェ(ソ・ヒョンジン)。勝つために手段を選ばない野心家の彼女は、会長のチェ・テグク(ホ・ジュノ)にも認められていた。最少年で代表に就くはずだったが、ある事件に巻き込まれてしまい兼任教授としてロースクールに左遷されてしまう。そこで出会ったロースクール生のコン・チャン(ファン・イニョプ)はスジェの周りで起こる不可解な事件から守ろうとするが、それには理由があった。

『なぜオ・スジェなのか』©️SBS

 ラブコメの女神と呼ばれるソ・ヒョンジンが冷徹非情な弁護士役で登場。健気で一途なチャンを演じるファン・イニョプとの関係性も重要なポイント。対立するTKローファームの会長役のホ・ジュノは凄まじい迫力で追い詰めていく史上最悪級の悪役を演じ、緊張感を高めている。本作も2022年SBS演技大賞でソ・ヒョンジンとホ・ジュノが最優秀演技賞を受賞。悪を成敗する解決の鍵となるロースクール生チェ・ユンサン役のペ・イニョクが新人賞に輝いた注目のサスペンスドラマである。

ソ・ヒョンジン×ファン・イニョプ「なぜオ・スジェなのか」 プロモーション映像【WOWOW】

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「海外ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる