『らんまん』万太郎と綾に訪れた親離れと進むべき道 朝ドラが描く子どもたちの変化と成長
3人のヒロインがリレー形式で物語を紡いでいく『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)の3人目のヒロイン・ひなた(川栄李奈)は“親離れ”がずいぶん遅かったように思うが、あれはその母であり二人目のヒロイン・るい(深津絵里)がまだ幼い頃に、そのまた母であり1人目のヒロイン・安子(上白石萌音)が自分の元を去っていった記憶が影響しているという読み方ができるだろう。やはりそれぞれの家族ごとにより、“親離れ”というものは違ってくるのだ。
『らんまん』においては、万太郎にも綾にも頼れる親の存在がもういない。2人は自分たちの力で、助け合い支え合える関係性を構築し、これから先の人生を歩んでいかなければならないのだ。万太郎はいつまでも子どものような無邪気な人間だが、大切な人と出会い、日々を重ねるうちに新しい感情を知り、いままさに成長しているところだ。進むべき道にはいくつもの困難が待ち受けているはず。名家の元・跡取り息子の本当の“親離れ”はここからである。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK