『リトル・マーメイド』のメッセージに共感 アリエル役・豊原江理佳が目指す役者像

『リトル・マーメイド』豊原江理佳が語る

 6月9日に公開されたディズニー映画『リトル・マーメイド』が、3週連続で動員ランキングNo.1を獲得するなど大ヒットを記録している。ディズニー・アニメーションの名作を『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』や『メリー・ポピンズ リターンズ』などのロブ・マーシャル監督が実写映画化し、人間の世界に憧れる人魚アリエルの姿を描いた本作。アリエル役のハリー・ベイリーの歌声や演技に絶賛の声が相次いでいるが、プレミアム吹替版のアリエルの演技にも注目が集まっている。アリエルの吹き替えを担当したのは、ミュージカルや舞台を中心に活躍する豊原江理佳。今回、オーディションで見事アリエル役を射止めた豊原にインタビューを行い、オーディションから公開までの心境や本作のメッセージ、今後目指す自身の役者像について語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

「失敗した」と思っていたオーディション

ーーいよいよ公開を迎えますが(※取材日は公開日の3日前)、いまの心境はいかがですか?

豊原江理佳(以下、豊原):ずっとこの日を待っていたのですが、すごくドキドキしています。たくさんの人に届いてほしいなという期待と、どんなふうに伝わるのだろうという不安が入り混じったような気持ちです。

ーー今回、オーディションでアリエル役を射止められたんですよね。

豊原:実は、オーディションしてから合否の発表までに1カ月以上あったのですが、私の中ではあまり手応えがなく、失敗したなと思っていて。でも、すごくやりたい役だったので、「上手くできなかったな」という気持ちと、「やりたい!」という気持ちの両方があるような、複雑な心境で1カ月を過ごしていて(笑)。そういう気持ちが高まりに高まったときに、アリエル役に決まったという連絡をいただいて、とても嬉しかったと同時に、すぐには受け止められないような気持ちでした。

ーー「オーディションで失敗したと思った」というのは具体的にどういう部分が?

豊原:私は普段、舞台を中心に活動してるので、そもそもアフレコというものをあまりやったことがなくて、かなりテンパってしまいました。まあ、慣れているミュージカルのオーディションでも結構テンパってしまう方なのですが(笑)。

ーー緊張されるタイプなんですね。

豊原:今回のオーディションは覚えていないくらい緊張していて、声もすごくうわずってしまったんです。絶対ダメだったなと思いながら、「いや、でももしかしたら私のキャラクターを見てくれたかも……と思ったり(笑)。そういう感じでぐるぐる回っていた感じでした。

ーーそこまでアリエル役をやりたいという願望が強かった『リトル・マーメイド』には、豊原さん自身も強い思い入れがあったんですか?

豊原:そうですね。『リトル・マーメイド』は、小さい頃からアニメーションやミュージカルで観ていて、音楽はもちろん、ストーリーもキャラクターも大好きでした。それと今回の実写映画は、本国版でアリエルを演じているハリー・ベイリーさんが「パート・オブ・ユア・ワールド」を歌っていらっしゃるのをYouTubeで見て、「なんだこの声は!」と衝撃を受けたんです。人魚って、実在したらこんな声なんじゃないかなと思って、きっと素敵な作品になると確信しました。そのときに直感で、吹替版があったらアリエル役をやりたいなと思ったんですよね。

ーーその段階から運命めいたものを感じていたわけですね。役作りをする上では、ハリー・ベイリーさんの声に寄せることを意識されたんですか? それとも本国版はあまり考えずに挑まれた?

豊原:声は自分のオリジナルでやりました。ただ歌に関しては、やはりハリー・ベイリーさんの声が唯一無二だと思ったので、彼女の声の魅力が消えないように結構チャレンジはしました。自分の声の個性とハリーの声の魅力が融合できないかは、自分の中で試行錯誤したところではありました。

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