『あなたがしてくれなくても』本音でぶつかった2組の夫婦 みちたち4人は幸せになれるのか
なんて不器用な4人なのだろうか。『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系)第10話は、ついに2組の夫婦が離婚をし、それぞれの道を歩み出すことに……。
しかし、みち(奈緒)は“自分の足で立てるようになりたい”と必死で頑張ったが昇進試験に落ちてしまい、陽一(永山瑛太)はみちと別れたくないともがくほど彼女の気持ちを知ろうとしなかった自分に直面する。
誠(岩田剛典)はみちに正々堂々と交際をしていきたいと気持ちを伝えるも「応えられない」とバッサリと振られ、仕事に生きようと切り替えた楓(田中みな実)は雑誌の編集長になる夢が目の前で散ってしまう。
せっかく離婚をしたのに、なぜこうもうまくいかないのか。全員が涙を流す姿を見て、これが本当に最適な選択だったのかと一緒に頭を悩ませた。離婚という大きな決断をしたのならば、それぞれ「してよかった」と思えるだけの幸せを掴んでほしいもの。だが、なかなかそうはいかない。そんなリアルな理不尽さが、このドラマの魅力でもある。
10話で印象的だったのは、離婚届を前にそれぞれ夫婦として最後に話し合ったシーンだ。これまで何年も一番近くで過ごしていたのに、この緑色の紙を前にして初めてそれぞれが本音をぶつけられているようにも見えたからだ。
みちは、陽一に「みちとの子どもがほしい」と言ってほしかった。そして、陽一は、そんなみちの思いに「俺には言えない」と意志を見せる。もしかしたら陽一も最初から子どもがほしくなかったわけではなくて、いつか子どもを持つことに決意が固まるかもしれないなんてフワッと考えていたのかも知れない。自分自身が大人に変わっていくのを待っていた。そして、みちもそんな陽一がいつか変わってくれると期待していた。
でも、人は「変わってほしい」と願うものほど変わらず、「変わってほしくない」と願うほど変わっていくものだ。いや、もしかしたらそう願っている側の見え方そのものが変わっていくのかもしれない。いつまでも子どものまま変わらない陽一に対して、みちが悩み、焦り、苛立ち……いつの間にか陽一を尊重する気持ちが薄れていったように。
一方、誠と楓もお互いの変化について反省し合う。仕事に打ち込む楓が好きで、ずっと支えたいと思っていた誠。しかし、結婚をしたら「もっと一緒にいたい、気持ちをわかってほしい、触れ合いたいって、いつの間にか見返りを求めていた」と変わってしまった。そして、そんな誠の心境の変化を目の当たりにしても、楓は一緒に変わることができなかった。