数字とアートで見る『アクロス・ザ・スパイダーバース』 240人のスパイダーマンが登場

数字とアートで見る『スパイダーバース』続編

 本作に携わったスタッフは総勢“1000”人で、アーティストがそのうちの“700”人を占めた。映画一本ぶんとは思えない圧倒的な情報量を、まさしく人海戦術によって具現化し、すさまじい辣腕でまとめ上げたのである。クリエイティブの鍵を握ったのは“5”人の首脳陣。前作から続投した脚本・製作のフィル・ロード&クリス・ミラーと、監督のホアキン・ドス・サントス、ジャスティン・K・トンプソン、ケンプ・パワーズだ。

 サントスはNetflixシリーズ『ヴォルトロン』(2016~2018年)を手がけ、トンプソンは前作でプロダクション・デザインを担当し、パワーズはディズニー&ピクサー映画『ソウルフル・ワールド』(2020年)の共同監督・脚本を務めた、いずれも傑出した才人たち。それぞれ得意分野が異なる3人は、互いにアイデアを出し合いながら、それぞれのアイデアを実現すべく、時には全員で協力し、時には別々に作業を進めたという。

 ちなみに、完成した映画の上映時間は“140”分=2時間20分(※字幕版)。アメリカ製のアニメーション映画としては歴代最長で、『コンシューミング・スピリッツ』(2012年、136分)の記録を11年ぶりに塗り替えた。また、大手スタジオ作品としては、ディズニー映画『ファンタジア』(1940年、2時間6分)以来83年ぶりの更新となる。

 もっとも体感時間の心配は無用だ。監督のパワーズいわく、製作陣は「アニメーションというメディアの映画ではあるけれど、他のどのような映画とも変わらない、一本の映画として扱う」と決意していたそう。「描くべきストーリーに必要な上映時間になった」との自信を込めてもいる。

 目を見張るほどのスケールで展開する『アクロス・ザ・スパイダーバース』に続き、2024年には『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース(原題)』が公開予定。本作に600人ものキャラクターが登場することは先述した通りだが、次回作にもさらなるキャラクターが控えているようだ。製作・脚本のロード&ミラーは、「思いつくかぎりのスパイダー・パーソンが登場したと思うかもしれませんが、まだ全員じゃない」と豪語。『スパイダーバース』シリーズの拡大はまだまだ止まらない。

参考

https://collider.com/spider-man-across-the-spider-verse-directors-kemp-powers-justin-thomspon-joaquim-dos-santos-interview/
https://collider.com/spider-man-across-the-spider-verse-writers-agree-all-things-are-possible-in-the-multiverse/

■公開情報
『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』
全国公開中
監督:ホアキン・ドス・サントス、ケンプ・パワーズ、ジャスティン・K・トンプソン
脚本:フィル・ロード&クリストファー・ミラー、デヴィッド・キャラハム
声優:シャメイク・ムーア、ヘイリー・スタインフェルド、ジェイク・ジョンソン、イッサ・レイ、ジェイソン・シュワルツマン、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ルナ・ローレン・ベレス、ヨーマ・タコンヌ、オスカー・アイザック
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
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公式サイト:https://www.spider-verse.jp
公式Twitter:https://twitter.com/SpidermanMovieJ

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