『違国日記』新垣結衣の槙生役に期待できる理由 共通する“心地よい寂しさ”
累計発行部数125万部突破の人気コミック『違国日記』の実写映画化が決定し、新垣結衣が主演を務めることが発表された。
2017年から女性コミック誌『FEEL YOUNG』(祥伝社)で連載中の本作には、常に“心地よい寂しさ”が横たわっている。
主人公の高代槙生は35歳の小説家。物語は彼女が交通事故で両親を亡くした姪・朝が親戚間でたらい回しにされているのを見兼ね、「15歳の子供はもっと美しいものを受けるに値する」と勢いで引き取るところから始まる。だが、自分が人見知りなことをすっかり忘れていた槙生は、朝との二人暮らしに狼狽。一方、朝は自分が描く大人像とはかけ離れた槙生を物珍しく思いながらも、特に人見知りもせず彼女との生活に順応していく。
そんな年の差20歳の叔母と姪が織りなす同居譚は口コミで広がりを見せ、2019年から2年連続で「マンガ大賞」にランクイン。宝島社の「このマンガがすごい!2019」オンナ編で第4位を獲得し、話題となった。すでに6月8日発売の『FEEL YOUNG』7月号で最終回を迎えることが決定しており、惜しまれつつ6年間にわたる連載に終止符が打たれる。
この度の発表を受け、新垣が槙生を演じることに意外性を感じたのは筆者だけではあるまい。というのも、原作の槙生はシャープなフェイスラインに涼しげな目元、まっすぐ通った鼻筋とビジュアルがかなり中性的。美人だけど家では見た目に無頓着なところもso coolで、いくつになってもキュートな新垣と最初は結びつかなかったのだ。しかし、よく考えてみると槙生と新垣にはこの作品の大きな魅力でもある大事な共通点がある。それはどちらも自分の世界を持っている、ということだ。