『らんまん』浜辺美波のオタクっぷりが止まらない　寿恵子の仕草に虜になる

　丈之助ともう一人フィーチャーされるのが、寿恵子（浜辺美波）。この『らんまん』のヒロインなので、特に光が当たるのは当然なのだが、それにしても寿恵子のオタクっぷりが止まらない。『南総里見八犬伝』を部屋で音読しては徐々にエキサイティング。「草むらになって2人を見てたい。ううん。草むらじゃ、置いてかれる。いっそ、八犬士になりたい！」と妄想はどんどん加速。犬士たちが身体のどこかに持っているという牡丹の形の痣を紅で真似しては、母のまつ（牧瀬里穂）に見つかって大騒ぎ。先述した丈之助パートとの緩急もあり、より微笑ましく思えてくる。

　万太郎は植物学教室に菓子を持っていくため寿恵子の「白梅堂」を訪れる。万太郎が注文したのは、練り切りと饅頭を10個ずつに、かるやきを一つ。かるやきは博覧会で出していただけの文太（池内万作）にしてみれば駄菓子。だが、寿恵子にとっては万太郎との思い出が詰まった菓子だ。大荷物に加えて、さらに土産で手が塞がっている万太郎。寿恵子が持つかるやきに豪快にかぶりつく万太郎に、寿恵子は仰天。また、万太郎から「好きな花」を聞かれ、咄嗟に「牡丹」と答えた寿恵子は、彼が店からいなくなった途端、両手で顔を覆い、「ああ〜！　牡丹なんて言っちゃった〜。はぁ……」と頬を赤らめる。そのテンションは『里見八犬伝』の犬士たちに夢中になっている時とどこか近いものを感じさせる。余談ではあるが、この第34話は寿恵子と万太郎の表情を超どアップで抜くカットが多用されており、その一人が浜辺美波ということもあり、『シン・仮面ライダー』を彷彿とさせもした。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回（全26週）】
総合：午前8:00〜8:15、（再放送）12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K：7:30〜7:45、（再放送）11:00 〜11:15
出演：神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作：長田育恵
語り：宮﨑あおい
音楽：阿部海太郎
主題歌：あいみょん
制作統括：松川博敬
プロデューサー：板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出：渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供＝NHK