『カード・カウンター』オスカー・アイザックのモノローグが印象的な本編映像公開

『カード・カウンター』モノローグ光る新映像

 6月16日に公開されるポール・シュレイダー監督・脚本作『カード・カウンター』の本編映像が公開された。

 『タクシードライバー』『レイジング・ブル』など、これまでに数々の作品の脚本を手がけてきたシュレイダーが監督・脚本を務め、製作を手がけたマーティン・スコセッシと再タッグを組んだ本作。元上等兵のウィリアム・ティリッチは特殊作戦兵士として自らがアブグレイブ捕虜収容所で犯した罪に苦しみ、刑務所で服役した後、ギャンブラーとして出直そうとしている。しかし、彼は今も過去に犯した行為に心が苛まれている。孤立と絶望を断ち切り、愛と人とのつながりを手にした後でさえも。唯一の解決策は、自らの過去に向き合うことだった……。

映画『カード・カウンター』本編映像

 公開されたのは、主演のオスカー・アイザックによるモノローグが印象的な、主人公の人生哲学が垣間見える本編映像。ポーカーテーブルに向かいながら「ポーカーの敵はカジノじゃない、他のプレーヤーだ」と語るウィリアム・テル(オスカー・アイザック)。カメラは、ギャンブラーとしての哲学を語る彼の心情に迫るようにゆっくりと寄っていく。ディーラーが彼の前にチップを集めたことで、このゲームに勝ったことが伺える。次にシーンが切り替わり、一人白い布でくるんだ机に向かう姿が映し出される。テルの背中に彫られたタトゥー“I trust my life to providence -I trust my soul to grace(人生を天意に 魂を恩寵に委ねる)”は、本作の音楽を担当したロバート・レヴォン・ビーンの父親で、バンド“The Call”のメンバーであるマイケル・ビーンの楽曲「World on Fire」の歌詞の一節である。さらにこの楽曲は、1991年のシュレイダー監督作であり本作のカギとなる元上司役ジョン・ゴードを演じたウィレム・デフォー主演映画『ライト・スリーパー』のオープニングで使用されている。

 自身の消えない過去への罪悪感に囚われ、同時に社会への怒りも抱える孤独な男ウィリアム・テル。彼の職業にギャンブラーを選んだ理由を、シュレイダー監督は「ずっと何かを待っていて、ある種の非日常を生きる人物である必要があり、『ギャンブラー』は完璧な職業のように思えた」と語っている。「ポーカーの肝は待つこと――するとチャンスが来る」と語るウィリアム・テルはカジノからカジノへ移動し、長い時間待ち、同じ手を繰り返す。そういった日常を送りながら何かが起こるのを待っている。単調な日常が、元上司への復讐を持ち掛ける青年カークとの出会いと、ギャンブル・ブローカーのラ・リンダとの出会いにより変化していく。果たして彼にどのような運命が待ち受けているのか。

■公開情報
『カード・カウンター』
6月16日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほかにて全国順次公開
出演:オスカー・アイザック、ティファニー・ハディッシュ、タイ・シェリダン、ウィレム・デフォーほか
監督・脚本:ポール・シュレイダー
製作総指揮:マーティン・スコセッシほか
配給:トランスフォーマー
2021年/アメリカ・イギリス・中国・スウェーデン/英語/112分/カラー/ビスタ/5.1ch/R15+/原題:The Card Counter/日本語字幕:岩辺いずみ/字幕監修:木原直哉
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公式サイト:https://transformer.co.jp/m/cardcounter/
公式Twitter:https://twitter.com/cardcounter_jp

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