ロバート・デ・ニーロが立役者に? 『アイリッシュマン』夢のキャスティング実現の背景

『アイリッシュマン』キャスティング秘話

 11月27日に独占配信がスタートするNetflix映画『アイリッシュマン』より、ロバート・デ・ニーロのコメントが公開された。

 第57回ニューヨーク映画祭のオープニング作品として、配信に先駆けて初お披露目された本作は、上映時間209分というマーティン・スコセッシ監督渾身の超大作。全米トラック運転組合のリーダー、ジミー・ホッファの失踪、殺人に関与した容疑をかけられた実在の凄腕ヒットマン、フランク“The Irishman”・シーランの半生を描く。

 全米トラック運転組合のリーダー、ジミー・ホッファ(アル・パチーノ)の不審な失踪と殺人事件。その容疑は、彼の右腕で友人の凄腕のヒットマンであり、伝説的な裏社会のボス、ラッセル・ブファリーノ(ジョー・ペシ)に仕えていたフランク・シーラン(ロバート・デ・ニーロ)にかけられることになる。

 フランク・シーランを演じたデ・ニーロは、「アルを口説いたら、かなり乗り気になってね。ジョー・ペシも引き入れたんだ」と、プロデューサーとしてキャスティングにも関わり、『ボーダー』以来の共演となるアル・パチーノや、『カジノ』以来の共演となるジョー・ペシも自ら動いてキャスティングしたと明かす。パチーノは先日、第23回ハリウッド映画賞助演男優賞を受賞した際のスピーチで、「ロバートが、“アルをホッファ役にどうかな?”ってマーティンに提案してくれたんだ。マーティンとは仕事をしたことがなかったから、ロバートが“彼は優しい奴だよ”って推してくれたんだ。だからオーディションをせずに役をもらったんだ。ロバートがホッファ役をもらってきてくれたんだよ」と話し、スコセッシ監督への売り込みもデ・ニーロが行ったことを明らかにした。

 そうして集結させた夢のメンバーについて、デ・ニーロは「たしか6~7年前に脚本の読み合わせをした。昔から知っている面々が揃って楽しい読み合わせだったよ」と、まるでレジェンドたちの同窓会のような豪華な読み合わせを振り返る。

 さらに、「自分が演じる若い頃の役も自分で演じることができたから大満足さ」とコメント。運動分析者として理学療法士ゲイリー・タコンを雇い、俳優たちが実際の年齢より若い時代のキャラクターを演じる時に、タコンが俳優と一緒に動きを考えたという。デ・ニーロは「若い役を演じてるってことをつい忘れちゃう時があるんだ」と笑う。

 スコセッシ監督は、本作のキャラクターをこのレジェンドたちが演じる意味について、「このストーリーの素晴らしいところは、3人の男たちの交錯する人間関係と忠誠心、兄弟愛、裏切りを描いた不朽の長編物語であるところ。3人の男たちが生きた時代が抱える感情的で心理的な痛みを表現している。ちょうど私たちの年齢に合っているように思えたんだ」と、70代の俳優たちが演じることで、ドラマに深みを出せたと自信の程を明かした。

■配信情報
Netflixオリジナル映画『アイリッシュマン』
11月27日(水)独占配信開始
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:スティーヴン・ザイリアン
原作:チャールズ・ブラント著『I Heard You Paint Houses』
出演:ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシ、ハーヴェイ・カイテル
2019年/209分/アメリカ

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