『らんまん』松坂慶子演じるタキが告げた衝撃の事実 愛があっても“心”がない切なさ
「峰屋に育ててもろうた恩を忘れるな」と言われ、傷つく綾。それに重ねて祝言を“蔵人が来る前に”済ませると言われると、彼女は立ち上がり、その場を走って出ていった。「私にも好きな相手くらいおったがよ」、すれ違いざまに彼女の言葉を聞いて傷つく竹雄。竹雄はここ最近、相手を想って起こした行動が全て裏目に出てしまっている。万太郎の心身を心配するからこそタキに実情を伝えたことが、こんな事態を招いてしまった。それに加えて想い人の綾に“好きな人”がいることもわかってしまう。それが幸吉(笠松将)だというのがあまりにも自明で、切ない。
竹雄にも詰められ、好きなものを自重しながら自分なりに当主の仕事を表面上でも頑張って全うしてきたはずの万太郎にとって、これ以上の“諦め”を求められることもしんどい。ついに張り詰めていた糸が切れるように「どうせワシの一生は仕方ないき」と口走ってしまう。その言葉に、ヒサと一緒に愛情を込めて彼を育ててきたタキは傷つく。お互い想い合っているはずなのに、互いの言葉に傷つき、“諦め合う”しかないこの状況の全てが辛い。
「こんな蔵を守るために」という万太郎の言葉に、改めて彼が心底峰屋を継ぐ気がない気持ちが表れる。しかし草花のことばかりを気にしていると思われていた万太郎も、大切な人の感情の機微には気づけていた。綾のことを“諦める”竹雄に、告白をしろと促す万太郎。
「おまんがただの奉公人ならこんなこと言わん、おまんじゃき」
東京で竹雄に言われたことをそっくり返す万太郎に、竹雄は胸を貫かれる。自分は彼に“諦める”ことを強いてしまったが、やはり諦めて欲しくなくて、でももう遅い。竹雄はもちろん皆の心が壊れてしまいそうになる中で、この物語はどんな展開を迎えていくのだろうか。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK