山田裕貴が役者として幸せを感じる瞬間は? 主演作『ペンディングトレイン』に懸ける思い
ある日突然、当たり前にある日常が奪われてしまったら? “ここではない”世界へ連れて行かれてしまったら? そんな誰もが一度は想像するような“もしも”なヒューマンドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』が、4月21日よりTBS系でスタートする。
赤楚衛二、上白石萌歌、井之脇海、古川琴音、藤原丈一郎(なにわ男子)、日向亘、片岡凜、杉本哲太、松雪泰子ら若手からベテランまで、多彩なキャストが集まる本作において、主演を務めるのが山田裕貴だ。数々の作品で名演を見せてきた山田だが、驚くことに民放ゴールデン・プライム帯連続ドラマは本作が初主演。“主人公”萱島直哉として、山田は本作でどんな姿を見せてくれるのだろうか。
水も食料も電波もない極限下で生きることを余儀なくされる登場人物たち。撮影も過酷なスケジュールになるときもあるようだが、「雰囲気は最高です!」と山田は明かす。
「締めるときは締めるのですが、スタッフさんに明るい方がとても多くて。目を見て挨拶してくださったり、何気ないことかもしれないのですが、いつも気持ちよく撮影させていただいています。ただ、連日連夜撮影が続くときもあるので、奮闘しているスタッフさんたちが体調を崩さないか心配になります」
山田が演じる萱島直哉は、影を背負った一匹狼とも言えるキャラクター。山田の代表作である『HiGH&LOW』シリーズの村山、NHK連続テレビ小説『なつぞら』、『ちむどんどん』などで演じた人物とは大きく異なる。そんな直哉の人物像を山田は次のように分析する。
「萱島直哉は過去に色々なことがあった人物です。これから作品を観ていただく方にすべてを説明してしまうのは野暮だとは思うのですが、“愛されたかったし、愛したかった人”だと僕は捉えています。幼少期、愛に触れる機会が少なかったこともあり、誰かを信じることをすごく怖がってしまう。人を信じなければ、深く結びつかなければ、裏切られることもないし、別れも経験しないで済むという考えで。ただ、歳が離れている弟に向けている気持ちだったり、自分の人生をなんとか一生懸命に生きていることだったり……彼は一見嫌なヤツに見えるかもしれないのですが、そんな彼の生きてきた背景を垣間見てもらえたらと思いながら演じています」
山田が本作で大きく関わることになる人物が、赤楚が演じる白浜優斗と上白石が演じる畑野紗枝。そんな2人に山田は全幅の信頼をおいているようだ。
「赤楚くんはとにかく淀みのない真っすぐな青年。他の出演作でもその“好青年”感はいつも感じていたのですが、本作の優斗にもそれはぴったりで。ただ、それだけではなくて、ちょっとふわっとしている所や不思議な陽気さが(笑)、また別の魅力でもあるので、まだまだ知らない赤楚くんがいるように感じています。(上白石)萌歌ちゃんは、朝ドラ(『ちむどんどん』)でも共演させていただいて、そのときに本当に淀みのないきれいな心を持っているなと感じました。それは本作でも変わらず出ていて、役柄にもハマっていますね。撮影が長引いて、キャストもスタッフもみんなが疲れていると感じていたときに、最後に萌歌ちゃんが元気よく『お疲れ様でしたー!』って(笑)。やっぱり、疲れた顔でなんとなくその日が終わるのと、明るい顔で『終わった!』って思えるのでは、次の日の臨み方も違うと思うので、萌歌ちゃんの明るさには助けられています」