『らんまん』万太郎が得た“気づき” 綾とともにジェンダーロールに苦しむ未来が来るのか

『らんまん』万太郎の得た“気づき”

「わしが蔵に入れて、姉ちゃんが入れないのはおかしいが!」

 綾に「昔っからの決まり」と言われても、「そんなが変えたらええ」と即答する万太郎。その時、自分が正しいと思っていた「古い慣習を続けていくこと」を自然に疑ったことに遅れて気づくのであった。その気づきが、後に植物学者という道に進む小さな、しかし大きなきっかけになるかもしれない。

 綾が万太郎に代わって酒蔵の当主になりたいと感じるときが、遅かれ早かれきそうな気配がする。その時、今の綾が“女だから許されない”ことに悩むように万太郎も“男だから当主として家業を継がなければいけない”と、それぞれがジェンダーロールに囚われ、苦しめられる時があるかもしれない。酒蔵の女人禁制が解禁されたのは、昭和30年ごろだと言われている。彼らの生きる時代を考えると、史実的に間に合いそうにないがその辺りがどのように本作で描かれるのか注目したい。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK

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