松坂慶子の表情と声色の変化に注目 『らんまん』は長いキャリアの代表作の一つに
彼女のキャリア初期の作品である『遊び』(1971年)や『黒の奔流』(1972年)、代表作である『蒲田行進曲』(1982年)に『男はつらいよ』シリーズ、『死の棘』(1990年)などなど、数多くの映画作品で看板を背負ってきた松坂だが、それらはどれも“彼女の一部”、または“ある側面”でしかない。映画ファンにとってはいわゆる往年の大スターだが、特に若年層にとっては同じく朝ドラ作品である『まんぷく』(NHK総合)での好演が記憶に新しいのではないだろうか。同作で彼女が繰り返し口にしていた「私は武士の娘です」というセリフは、いまだに耳に残っている。今後のタキの動きによっては、この『らんまん』も松坂慶子という大スターの代表作の一つに入ることになるかもしれない。
『まんぷく』松坂慶子、“武士の娘”として物語を牽引 勇ましくもチャーミングな鈴さんの魅力
「私は武士の娘です!」 『まんぷく』(NHK総合)ですっかり有名になったこの台詞は、ヒロインの母・鈴(松坂慶子)の口癖である…
第1週目にして、万太郎の最愛の存在である母(広末涼子)が亡くなってしまった現在。物語の中心に立つのはまだ子役の面々である。そんな中で大御所の風格を持つ松坂がどう動いていくのかが非常に気になるところ。鬼の形相を作り、ただ怒鳴ってばかりいるわけではない“松坂慶子=槙野タキ”の言動がカギを握っている。それは物語の進むべき道だけでなく、視聴者の関心であり、『らんまん』の今後のことである。彼女の表情と声色の変化にもっとも注意を向けるべきである。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK