『キル・ボクスン』チョン・ドヨンが笑顔で人を刺し殺す “最強”と“最弱”の二面性を披露

『キル・ボクスン』チョン・ドヨンが殺し屋に

イ・ジェウクがカメオ出演 脇を固める豪華な俳優陣たち

 チョン・ドヨンを支える豪華な俳優陣たちも魅力的だ。

 ボクスンを超一流の殺し屋に育てたミンギュを演じるソル・ギョングが渋い。映画『シルミド』などでおなじみの俳優だが、今回も圧倒的な存在感を示している。

 ボクスンを育てただけあって、殺しの腕は超一流。ロシアのマフィア相手に一人で作品を実行する姿は鮮やかだ。どんな時も冷静に自分を見失うことがないミンギュだが、唯一の弱点がボクスンなのだ。

 ミンギュの若い頃、ボクスンの父親を自殺に見せかけて殺すというミッションを託された際、はからずも17歳のボクスンと出会ってしまった。ミンギュは目撃者となったボクスンを殺そうとするのだが、彼女がとった思いがけない行動にミンギュは圧倒される。

 ミンギュの若い頃を『還魂』で一躍スターになったイ・ジェウクが演じているのがとても贅沢だ。殺し屋としての冷たさと同時にボクスンに心を奪われていく姿を、わずかな出演シーンの中で強烈に印象づけた。

 また『未成年裁判』で、殺人を犯した少年役を演じて注目されたイ・ヨンが、今回も独特の雰囲気で華を添えている。イ・ヨンが演じるのは、MKエンターテインメント期待の新人殺し屋だ。自分の腕に自信を持つ野心家で、「強いほうに味方をする」という計算高さもある。デビュー前の演習でボクスンと激しく戦うシーンは、なかなか見もので、相変わらず印象的な演技をする俳優だと改めて感じた。

 最終的にボクスンが戦う相手は、師匠であるミンギュだ。最強の相手を目の前にして、ボクスンは「相手の手を読んで弱点を探れ」という基本を忘れない。ミンギュに向かって「先輩の弱点は私。いつからですか?」と問いただし、とどめを刺すボクスン。

 しかしボクスンも同様にミンギュに弱点を突かれ、とどめを刺される。それが何を意味するのか、エンドロールが流れても、最後までこの物語を見届けてほしい。

■配信情報
Netflix映画『キル・ボクスン』
Netflixにて独占配信中
出演:チョン・ドヨン、ソル・ギョング、イ・ソム、ク・ギョファン、キム・シア、イ・ヨン
脚本・演出:ピョン・ソンヒョン

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「海外ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる