井上ほの花×田村睦心×石見舞菜香が夢をくれたアニメを語る　声優として「恩返ししたい」

文・取材＝すなくじら、写真＝はぎひさこ

井上「小さい頃からの夢が魔法使いになることだった」

ーー原作の対象年齢が小学校中学年以上なので、今回のアニメはその年齢の子どもたちにとっても大切な映画になると思います。皆さんにとって、幼い頃に観てきたアニメの中で大切な作品はありますか？

田村：小学校3年生〜4年生のときにハマっていたのは『るろうに剣心』。ちょうど小学2年生くらいの時にアニメが始まったのかな。声優に憧れを持つきっかけになった作品でもあります。当時、舞台女優さんやタレントさんが多く出演されていた作品ではあったのですが、瀬田宗次郎役を日高のり子さんが担当されていたり、要所要所にベテラン声優さんがキャスティングされているんですよ。

ーー田村さんの演じるカッコいい男性キャラのルーツが『るろうに剣心』にあると聞いて納得しました。井上さん、石見さんはいかがですか？

井上：わたしは『きらりん☆レボリューション』（以下、『きら☆レボ』）です！

石見：被った……！　わたしも『きら☆レボ』って言おうと思ってたの！（笑）

井上：他だと『ぴちぴちピッチ』とか『シュガシュガルーン』とか。学校のみんなが観てたよね。でもやっぱり、わたしは『きら☆レボ』が1番好きです。アニメもゲームも夢中になっていました。

石見：わかる！（笑）　わたしは学校で『きら☆レボ』ごっこしてた。

田村：きらりちゃんになりきるってこと？

石見：そうなんです。自由帳になーさんの絵を描いて、切り抜いて、テープで肩に貼って……。

田村：かわいい遊びしてるな〜（笑）。

ーー本作のキャッチコピーは「信じたいってきもちが、チカラになる★★」ですが、声優を続けていく上で、何が皆さんのモチベーションになっていますか？

田村：私にとってお芝居はデトックスみたいなものなんです。今でこそインタビューの機会をいただくこともありますが、自分の言葉で想いを伝えるのはもともと苦手で。言葉より先に涙が出てきてしまうこともあるくらい。でもこのお仕事では、普段自分が感じているものを、役を通して素直に出すことができる。だから、私にとってはお芝居という行為自体が、そもそも力になっているというか。セリフによって自分が普段隠している自分の一面を出せるんです。

石見：私は、かつての自分に希望をくれた声のお仕事に「恩返しをしたい」という気持ちがモチベーションになっています。昔は「学校行きたくないな」と思っていた時があって、アニメが自分の世界の全てで。そのあと「声優になりたい」と思ってからは、声優になることが全てになりました。そこから、夢がどんどん叶って「今度は何を目標に頑張ろうかな」って時々考えることがあるんです。今までアニメに夢を見せてもらって、仕事を通してたくさんの素晴らしい経験までさせてもらって。幸せなことばかりでした。だから声を届けることで、今度は私が誰かのために明日も頑張るための夢を作って、お返しをしていきたいな、と。

井上：私にとって、応援してくれる方への感謝の気持ちがモチベーションです。私は、小さい頃からの夢が魔法使いになることだったんです。だから、今回自分がこの作品に巡り合えたのも、何かの運命や縁だと思ってます。でも何より、応援してくださる方がいるからこそ、この夢を叶えることができたんじゃないかなと。だから舞菜香ちゃんの言葉にもあったように、恩返しの姿勢を忘れちゃうと、きっとこの先の道で間違えてしまうと思うんです。

ーー最後に、ファンの皆さんに一言ずつメッセージをお願いします。

石見：今回の劇場アニメ『らくだい魔女フウカと闇の魔女』は、大人にとっては帰る場所、子どもにとっては“今”を感じられる場所になっていると思います。どの世代の人でも、表情豊かに動くキャラクターから癒しと熱い気持ちを感じられる映像になっているので、ぜひとも劇場で観ていただけたらと思います。

田村：主人公のフウカちゃんが持つ優しい気持ちに触れることによって、大人も子どももそれぞれ感じることがあると思います。悪役に対する優しさも含めて、多面的な深さを感じられる作品になっているんじゃないかな。原作ファンの人も、興奮できるような映像美も見どころなので、ぜひ劇場の大画面と音響で楽しんでいただけたらと思います。

井上：劇場アニメ『らくだい魔女フウカと闇の魔女』は観てくださる皆さんにとって、魔法のような作品に仕上がっています。観終わった頃には温かい気持ちになって帰れる、疲れたときには「戻ってもう1回観に行こう」と思えるような、そんな作品です。私が演じるフウカちゃんは、コロコロと変わる豊かな表情がかわいらしいので、ぜひ注目してほしいです。あとは、「信じたいってきもちが、チカラになる★★」というキャッチコピーも作品の鍵になるポイントかなと思います。この作品1つでいろいろなことを感じられる素敵な映画になっているので、ぜひ劇場に足を運んでいただけると嬉しいです！

■公開情報
劇場アニメ『らくだい魔女フウカと闇の魔女』
全国公開中
キャスト：井上ほの花、田村睦心、石見舞菜香、小野賢章、佐倉綾音、日笠陽子、田中理恵、福山潤魚建、小西克幸、花守ゆみり、遠藤綾、白砂沙帆、岡本信彦
原作：作・成田サトコ／絵・千野えなが『らくだい魔女』シリーズ（ポプラ社刊）
監督：浜名孝行
脚本：吉村清子
キャラクター原案：千野えなが
アニメーションキャラクターデザイン・総作画監督：杉田まるみ
美術デザイン：伊井蔵
プロップデザイン：高橋靖子
色彩設計：大塚眞純
美術監督：青井孝、岡本好司
3D：髙賀茂寛人
撮影監督：柚木脇達己
編集：植松淳一
音響監督：小泉紀介
音楽：成田旬、山崎泰之
配給：ポニーキャニオン
アニメーション制作：Production I.G
製作：アニメ「らくだい魔女」製作委員会
©成田サトコ・千野えなが・ポプラ社/アニメ「らくだい魔女」製作委員会
公式サイト：https://anime-rakumajo.com/
公式Twitter：https://twitter.com/anime_rakumajo