井上ほの花×田村睦心×石見舞菜香が夢をくれたアニメを語る 声優として「恩返ししたい」

井上ほの花×田村睦心×石見舞菜香座談会

 シリーズ累計発行部数160万部を突破した人気児童書『らくだい魔女』シリーズを原作とする劇場アニメ『らくだい魔女 フウカと闇の魔女』。本作ではちょっぴりドジな“らくだい魔女”のフウカと仲間たちの冒険が描かれる。キャラクターの成長はもちろん、想像を超えるラストの展開も含めて、子どもだけでなく大人も楽しめる作品だ。

 特に、声優の演技は原作のキャラクターイメージを見事に表現していた。そこで今回は、本作のメインキャラクターであるフウカ役の井上ほの花、チトセ役の田村睦心、カリン役の石見舞菜香に話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

それぞれピッタリの配役と、和気あいあいとした収録現場

ーー今回3人で一緒にお仕事をされて、改めてそれぞれの印象について教えてください。

井上ほの花(以下、井上):田村さんも舞菜香ちゃんも過去に共演経験があったので、率直に安心感がありました。というのも、アフレコに自分が一番時間がかかってしまうと思っていたので、共演者の方に迷惑をかけてしまうかな、と不安だったので(笑)。まず田村さんは、太陽みたいな方です。実は事前に他のたくさんの声優の方から、「田村さんが良い人すぎる!」って話を聞いていて。

井上ほの花

田村睦心(以下、田村):えー! ありがとう。嬉しすぎる。

井上:こちらこそ、ありがとうございます(笑)。いつも場を盛り上げてくださって、収録のスタジオに田村さんがいると現場の会話にパッと花が咲く感じでした。舞菜香ちゃんは、普段から現場が一緒になることも多くて、仲良くしてもらっていました。

石見舞菜香(以下、石見):発表になったときも、ほーちゃん(井上ほの花)の連絡先を知ってたから、「一緒にできるね」って連絡したよね。

井上:そうそう。優しくて物腰柔らかで、声優さんとしても大好きな舞菜香ちゃんとまた一緒にお仕事ができて嬉しかったです。それこそ、現場がピリつくことも……。

田村:ピリついたっけ?

井上:(ピリつく)こともなく(笑)。和やかに全部進みました。

田村:焦った〜! 「楽しかったの私だけかな?」って(笑)。

ーー田村さんと石見さんはどうですか?

田村:私としてもやりやすい現場で、本当に楽しかったです。石見ちゃんはおしとやかだけど、わからないセリフは絶対にそのままにしないんですよ。人に聞いて、わかるまで努力するタイプ。優しげな雰囲気だけどしっかりした感じが、カリンにぴったりな感じだなと思いました。ほの花ちゃんは、過去に共演した現場が『おかあさんといっしょ』(NHK総合)だったこともありまして、その時から明るくて、元気なイメージがありました。ほの花ちゃんもフウカっぽいんです。年齢でいうと2人より少し先輩な私も、カリンとフウカのほんわかしつつ、活気のあるやり取りの仲間に入れてもらって。ありがたいなと思います。

石見:私は、田村さんが「この仕事に就きたい」と思ったきっかけの作品に出られていたので、今回ご一緒できることが率直に嬉しかったです。私自身は人に喋りかけに行ったりとか全然できないタイプなのですが、田村さんは分け隔てなく誰にでもフレンドリーで。私たちにも、スタッフの皆さんにも、ずっと優しく、その場を盛り上げてくれる言葉をかけてくれて、プラスな言葉を発信される素敵な方だなという印象を抱いていました。ほーちゃんは、私のデビュー作に出演していて、それから6年ぐらいの付き合いです。常に一生懸命で、周りを和ませてくれる。時々あわあわしているんですが、それも愛らしい。

田村:わかる〜(笑)。

井上:舞菜香ちゃんに言われると、照れるね(笑)。

石見:田村さんも含めて、ここまで同世代の声優の方と今まで一緒にお仕事をさせていただく機会は今まであまりなかったんです。だから、3人でわちゃわちゃしながら収録できたのは、私も心強いと思っていました。

田村睦心、井上ほの花、石見舞菜香
(左から)田村睦心、井上ほの花、石見舞菜香

ーー現場の和やかな空気がここまでの会話でも伝わってきます。オーディションから役作りまで、演技で意識した点やこだわった点があれば教えてください。

井上:フウカちゃんは表情がコロコロ変わるので、その辺りの表現はこだわりました。いきなり泣いたり、真面目になったり。私はもともと小学生の頃からの原作を読んでいたので、演技についても自分の中でフウカちゃんのキャラクター像があって。オーディションのセリフが「あたし、フウカ!」という原作の冒頭に出てくるお決まりのセリフだったのですが、「これを私が言えるのか……!」と感動してしまいました。ただ、オーディションの時期に風邪を引いてしまって……。フウカちゃんの声にこだわりがあるからこそ、「この声じゃフウカちゃんは厳しいかもしれない」とずっと不安でした。

田村:ほの花ちゃんの普段の声をスタッフさんが知っていてくださったのかも。

井上:そうかもしれないです。あとは、作品への強い想いが伝わったのかも……?

ーー主題歌「ときめきの風に乗って」はフウカちゃんのキャラクターソングですよね。主題歌を井上さんが歌うと伝えられたのは、いつだったのでしょうか?

井上:それが、全部アフレコが終わってからだったんですよ。最初から歌うことを知らされていた訳ではなかったので、伝えられた時はビックリしました。

石見:ええっ! それはビックリだね。

ーーカリンはフウカの親友ですが、キャラクター性は少し異なりますよね。

石見:カリンは、かわいらしい印象でありつつも、決めるべきところはカッコよくなったらいいなと思いながら演じさせていただきました。カリンっておしとやかで、友達にいたら癒される感じのキャラクターだと思うんです。どちらかというと、フウカに巻き込まれていくポジションの子なんですよね。でも友達のためなら、勇気を持って立ち向かっていける芯の強さがある子でもあることが伝わる演技にしたいなと思っていて。

ーーチトセについてはどうでしょう?

田村:“子どもっぽさ”が全面に出ないように気をつけて演じました。チトセは、好きな女の子には意地悪をしてしまうような幼さと、好きな子を守るカッコ良さを併せ持っているから。もちろん、その幼さもかわいらしいポイントでもあるのですが(笑)。でも、わたしの演じるチトセが観てくれる方の初恋の相手になり得ることを考えた時に、「チトセにはカッコよくあってほしいな」と思ったんです。

ーーチトセが魔法を使うときの「時よ!」という決め台詞も、本当にカッコよく決まっていました。このセリフには、監督からのディレクションが入ったのでしょうか?

田村:それが、今回のアフレコはディレクションが入ることはほとんどなく…。

井上:うん。私も、あまり入った記憶はないかも。

石見:たしかにそんなになかったかもしれないね。

井上:田村さんのありのままのチトセの演技が、現場のハートを完全に掴んでいました。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる