堀田真由が伝統工芸の漆塗りに挑む 鶴岡慧子監督作『バカ塗りの娘』今秋公開決定

堀田真由主演『バカ塗りの娘』今秋公開決定

 堀田真由主演映画『バカ塗りの娘』が今秋全国公開されることが決定した。

 本作は、第1回「暮らしの小説大賞」を受賞した髙森美由紀の小説『ジャパン・ディグニティ』(産業編集センター刊)を映画化するもの。『過ぐる日のやまねこ』の鶴岡慧子が監督を務める。

 海外では漆器が「japan」と呼ばれることもあるように、世界から注目を集め、称賛される漆塗り。本作はその中でも、青森の伝統工芸・津軽塗=通称“バカ塗り”をテーマに描かれる。何をやってもうまくいかず、自分に自信が持てない美也子が、津軽塗職人の寡黙な父・清史郎との暮らしの中で、幼い頃から触れていた津軽塗に改めて向き合い、次第に自分の進む道を見つけていく。

 堀田が演じるのは、素朴で不器用な23歳の美也子。堀田は、主演作として「実際に職人さんに漆の使い方を伝授していただいたり、津軽弁を話したりと新たな挑戦にドキドキしながらもゆったりと流れる時間に身を委ねながら取り組む日々は、贅沢で忘れられないものとなりました」と語り、津軽塗と向き合った撮影を振り返った。

 美也子の父親で津軽塗の職人・清史郎を演じるのは小林薫。小林は、「津軽弁が難しかった。何度やっても出来ない発音なんかがあって、現場でも何十回とチェックをうけて苦労しました」と明かした上で、本作について「ギクシャクしていた親子関係が、お互いの存在を身近に感じて、優しい気分になっていくシーンがあります。ボク自身はそのシーンで何だか幸せな気持ちになりました」と語る。

 本作のタイトルにある“バカ塗り”とは、完成までに四十八工程あり、バカに塗って、バカに手間暇かけて、バカに丈夫と言われるほど、“塗っては研ぐ”を繰り返す津軽塗のことを指す言葉。

 あわせて公開された場面写真では、父・清史郎(小林薫)が、真剣な眼差しでお椀に漆を塗り重ね、静かに漆塗りに向き合う様子と、その姿を横から見つめる娘・美也子(堀田真由)を写し出している。実際に津軽塗に向き合った2人、そして津軽塗を描いた本作について鶴岡監督は「津軽塗と出会い、ものづくりに対する慎ましくも純度の高い情熱に触れ、私もこんなふうに映画をつくりたいと思いました。1カット1カット丁寧に、漆を塗り重ねるように撮る。色鮮やかな模様を研ぎ出すように、登場人物たちの個性で画面を満たす。堀田さん、小林さんはじめ、素晴らしい俳優さんたちとご一緒することができました」と語った。

 また、本作は全編青森県・弘前市での撮影を敢行。青森県出身の木野花、鈴木正幸、ジョナゴールド、王林も出演している。

コメント

堀田真由

青木美也子役を演じさせていただきました。
初めて感じる気温や、湿度、匂いを全身で感じながら青森県弘前市で撮影させていただきました。
実際に職人さんに漆の使い方を伝授していただいたり、津軽弁を話したりと新たな挑戦にドキドキしながらもゆったりと流れる時間に身を委ねながら取り組む日々は、贅沢で忘れられないものとなりました。
最新な物が次から次へと産まれ機械化・自動化が主流になってきた今改めて、日本の美しい伝統工芸に触れ何を感じ受け取るか、そして伝授していくことの厳しさとどう向き合っていくのか津軽塗りを通して繋がる家族の物語から何か感じ取っていただけると幸いです。

小林薫

津軽弁が難しかった。
何度やっても出来ない発音なんかがあって、現場でも何十回とチェックをうけて苦労しました。
それが、映画を観たらセリフの量がそうでもない、こっちは七転八倒しながら、セリフと格闘したから、大量だと思い込んでいたンですね。
映画はラスト近くで、ギクシャクしていた親子関係が、お互いの存在を身近に感じて、優しい気分になっていくシーンがあります。
ボク自身はそのシーンで何だか幸せな気持ちになりました。
人は、争いより仲良くなっていく人をみると幸せな気分になるンだと。

鶴岡慧子(監督)

バカ塗りの「バカ」とは、ひたむきさを表す「バカ」です。津軽塗と出会い、ものづくりに対する慎ましくも純度の高い情熱に触れ、私もこんなふうに映画をつくりたいと思いました。1カット1カット丁寧に、漆を塗り重ねるように撮る。色鮮やかな模様を研ぎ出すように、登場人物たちの個性で画面を満たす。堀田さん、小林さんはじめ、素晴らしい俳優さんたちとご一緒することができました。そして、弘前の皆さん、津軽塗の職人さんたちに、本当の意味で支えていただきました。みんなでつくったこのひたむきな作品を、たくさんの方に楽しんでいただけたら幸いですし、津軽塗の魅力を知っていただけたら嬉しいです。

■公開情報
『バカ塗りの娘』
今秋全国ロードショー
出演:堀田真由、小林薫
監督:鶴岡慧子
脚本:鶴岡慧子、小嶋健作
原作:髙森美由紀『ジャパン・ディグニティ』(産業編集センター刊)
製作:「バカ塗りの娘」製作委員会
制作プロダクション:アミューズ 映像企画製作部、ザフール
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
©2023「バカ塗りの娘」製作委員会
公式サイト:https://happinet-phantom.com/bakanuri-movie/
公式Twitter:@bakanuri_movie
公式Instagram:@bakanuri_movie

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