『アンドレ・レオン・タリー 美学の追求者』本編映像 TVで“不平等”を叫ばない理由とは?
3月17日よりBunkamura ル・シネマ にて公開されるドキュメンタリー映画『アンドレ・レオン・タリー 美学の追求者』から本編映像の一部が公開された。
本作は、2022年1月18日に73歳で他界した、ファッション業界のレジェンド、アンドレ・レオン・タリーの生涯を描いたドキュメンタリー映画。ファッション界の巨匠と呼ばれたアンドレ・レオン・タリーは、『プラダを着た悪魔』でスタンリー・トゥッチ演じるナイジェルのモデルとされ、白人の占める割合の多いファッション業界において、黒人モデルや非白人デザイナーたちの進出に積極的に貢献した。人種差別が色濃く残る時代のアメリカ南部で幼少期を過ごしたアフリカ系アメリカ人の彼が、いかに最も影響力のあるファッション・キュレーターにまでのし上がったのか。彼の人生と彼が残した数々の功績を、マーク・ジェイコブス、アナ・ウィンター、トム・フォードらファッション界を代表する人物たちのインタビューと共に振り返る。
公開されたのは、タリーがファッション界に置かれる自分の立場を語ったり、ユニークな回答で会場を沸かす姿を収めた本編映像。ニューヨーク・ブルックリンにある音楽アカデミー・ハーヴェイ劇場で入念なマイクテストを行うタリー。「アンドレは、ブラック・スーパーヒーローですよね?」と前置きとともにジャーナリストのタムロン・ホールがタリーをステージ上に彼を呼び込むと、会場からは拍手と歓喜の声が湧き上がる。「大物扱いをされていることをどう感じてる?」という質問に、「黒人男性がパリのファッションショーに影響力のある立場で出席したのは初めてだと思う」と回答。続けてホールが、“不平等だ”とテレビで叫ばない理由について問いかけると、洗練された歴史あるファッション界においてそれに倣う必要があったとし、「背負っている看板が“VOGUE”だから、守るべきレベルがある」「(“VOGUE”と)名前を聞いただけで姿勢を正さないと!」と畳み掛け、会場は笑いに包まれる。タリーのユニークな人柄と誇りを感じられる映像となっている。
■公開情報
『アンドレ・レオン・タリー 美学の追求者』
3月17日(金)Bunkamura ル・シネマにて公開
監督:ケイト・ノヴァック
製作:アンドリュー・ロッシ
出演:アンドレ・レオン・タリー、アナ・ウィンター、トム・フォード、マーク・ジェイコブス、イヴ・サンローラン、カール・ラガーフェルド、ノーマ・カマリ、ヴァレンティノ・ガラヴァーニ、ウーピー・ゴールドバーグ、イザベラ・ロッセリーニ、ウィル・アイ・アム(ブラック・アイド・ピーズ)、ラルフ・ルッチ、サンドラ・バーンハード、マノロ・ブラニク、アンドレ・ウォーカーほか
提供・配給:リージェンツ
2017/アメリカ/93分/英題:The Gospel According to André/日本語字幕:柏野文映
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