『リバーサルオーケストラ』はドキュメンタリーのようなドラマだ 心を掴む“裏側”の演出
玉響のパフォーマンスに、こんなにも感情を持っていかれるのはなぜだろうか? もちろん、演奏が素晴らしいからではあるのだけれど、それ以上の感動が押し寄せてくる。
それはきっと、本作が「練習シーン」にも焦点を当てているから。もちろんオケのドラマなので必要なカットなのだが、それにしても一生懸命練習する団員をよく見た。この練習シーンは前回の第9話までおざなりにならず、みんなが苦しむ姿も、成長する姿も見せてきた。
エンタメにおいて、甲子園で戦う高校球児を追う『熱闘甲子園』(テレビ朝日系)や、NiziUを生み出したガールズグループオーディション『Nizi Project』など、夢に向かう人々を映すドキュメンタリーはビッグコンテンツの一つ。いつの日も視聴者の心を掴んで離さないものだが、オーケストラの練習シーンや裏側を“ドラマ視点”で描いた本作もまた、その要素が含まれていたように思う。
高校球児やオーディションに奮闘する子たちの人となりに触れ、思い入れが強くなるのと一緒で、我々は、厳しい練習や退団危機を乗り越えてきた玉響を、いつの間にか応援したくなっていた。一人ひとりが目標に向かって頑張ってきた姿を見届けてきたからこそ、成功してほしい気持ちが湧きでてくるのだ。
もちろん、ドラマなのでドキュメンタリーという言葉は正確ではないのだけれど、確かに『リバーサルオーケストラ』という作品の中には、田中圭ではなくて常葉朝陽がいたし、門脇麦ではなくて、谷岡初音がいた。玉響の団員たちがいたーー。
そんなドキュメンタリーと同じ感動を味わえる本作がどんな結末を迎えるのか。これまで幾度となく苦境に立たされた玉響が、シンフォニーホール「こけら落とし公演」で高階フィルハーモニックオーケストラと一騎打ちへ! 「最後のリバーサル=逆転」に期待したい。
■放送情報
『リバーサルオーケストラ』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:門脇麦、田中圭、瀧内公美、坂東龍汰、濱田マリ、平田満、前野朋哉、行平あい佳、ロイック・ガルニエ、岡部たかし、永山絢斗、恒松祐里、津田健次郎、原日出子、生瀬勝久、相武紗季
脚本:清水友佳子
演出:猪股隆一、小室直子、鈴木勇馬
チーフプロデューサー:三上絵里子
プロデューサー:鈴間広枝、松山雅則
制作協力:トータルメディアコミュニケーション
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/reveorche/
公式Twitter:@reveorche_ntv
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