福山雅治らによる貴重な証言の数々 『沈黙のパレード』特典映像で知る芝居の奥深さ

『沈黙のパレード』必見の特典映像を解説

 3月3日に映画『沈黙のパレード』のBlu-ray&DVDが発売された。本作は、東野圭吾のミステリー小説『沈黙のパレード』(文藝春秋)を映画化したものだ。

 物理学者の湯川学(福山雅治)が、事件の背後にある怪奇現象を科学の力で解き明かしていく姿を描いた『ガリレオ』(フジテレビ系)は、2007年に連続ドラマの第1シーズンが作られて以降、人気シリーズとなっている。映画も、西谷弘監督によって『容疑者xの献身』と『真夏の方程式』の2作が作られており、どちらも高い評価を獲得している。今回の『沈黙のパレード』は、9年ぶりとなる映画第3作。

 歌手を目指していた女子学生・並木佐織(川床明日香)を殺害した容疑者でありながら、証拠不十分で無罪となった蓮沼寛一(村上淳)が、菊野商店街で行われた夏祭りの日に変死体となって発見される。容疑者は佐織の両親、恋人、そして彼女を愛していた人々……。湯川は再会した刑事の内海薫(柴咲コウ)と草薙俊平(北村一輝)と共に怪事件の謎に挑むこととなる。

 『ガリレオ』シリーズ史上もっとも登場人物が多く複雑怪奇な群像劇となった『沈黙のパレード』は、佐織の人生を見せていく冒頭や、華やかなパレードが展開される夏祭りの場面で大規模ロケが展開された、モブシーンの多いスケールの大きな映画に仕上がっていた。第1シーズンでヒロインを務めた内海薫が再登場するのも本作の見どころである。新人刑事だった内海が成長して、かつて上司だった草薙と湯川と共に難事件に挑むという意味において、『ガリレオ』シリーズの集大成と言える映画だった。

 今回のBlu-ray&DVDのスペシャル・エディションには特典DISCが収録されている。特典DISCには、各俳優のクランクアップの場面や試写会や舞台挨拶等のイベントの様子が収められているのだが、注目すべきは、福山雅治、柴咲コウ、北村一輝、西谷弘監督が『沈黙のパレード』のイチオシの場面について解説するビジュアルコメンタリーと、劇場公開に合わせて放送された福山と柴咲と飯尾和樹がラジオブースでトークを繰り広げる公開記念特番『コウ福のラジオ』の完全版(全5夜)。この2つの特典映像を見ると、本作の芝居がどのようなアプローチで生まれたのかが、よくわかる。

 まずビジュアルコメンタリーでは、4人が映画の注目すべき場面をいくつかピックアップして語っているのだが、自然と福山が話を回しているのが面白い。福山の質問はどれも的確で、視聴者目線を代弁した上で監督の演出や俳優の芝居の意図を丁寧に解きほぐしていく。

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