上白石萌歌が語る、初めての刑事役で得た経験 「ビビッドな感情表現を大切に」

上白石萌歌、初めての刑事役で得た経験を語る

 テレビ朝日系木曜ドラマ『警視庁アウトサイダー』は、ワケあり刑事3人がタッグを組み、巨悪に立ち向かう異色の刑事ドラマだ。そんな中でもクセあり新米刑事・水木直央を演じるのは、『連続ドラマW 宮部みゆき「ソロモンの偽証」』(WOWOW)、『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)、連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK総合)などの人気作に数多く出演している上白石萌歌。

 1月にデビュー12周年を迎え、刑事ドラマへの出演という新たな一歩を踏み出した上白石に、今回の撮影への想いやキャラクターの役作りについて話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

「直央ってヤバいキャラなのかもしれない」

ーーまずは、出演が決まったときの率直な感想を教えてください。

上白石萌歌(以下、上白石):今まで学生の役が多かったのですが、初の刑事役ということでとにかく楽しみでした。あとは、西島(秀俊)さんと濱田(岳)さんとご一緒できることが本当に嬉しかったです。実際にお二人と同じシーンを作っていく中で、お芝居以外での佇まいでも勉強するところがたくさんあって、こんなふうに自然と現場を引っ張っていける大人になりたいなと思いました。

ーー初の刑事役の役作りで準備したことはありますか?

上白石:まずは、脚本に出てくる刑事用語を調べることから始めました。“マル害”とか“ホトケ”とか、全く刑事用語に馴染みがなかったので、一通り調べて何が書かれてもわかるようにすることからのスタートでした。他の刑事ものの内容が以前よりわかるようになって、成果を感じています。それと、人の名前がたくさん出てくることに戸惑ってしまって……名前を覚えることがあまり得意なほうではないので、ひたすら漢字を書いて覚えました(笑)。

ーー上白石さん演じる直央は、かなりドラマの中でも異色なキャラクターですよね。そんな直央をご自身ではどのようなキャラクターだと捉えていますか?

上白石:直央は漢字だと素直の“直”に、中央の“央“と書くのですが、名前の通り良くも悪くもストレートな憎めないキャラクターだと思っていて、その真っ直ぐさが伝わるように演じたいと思っていました。1話・2話が木村(ひさし)監督のディレクションだったのですが、いざ現場に入ると、初日から“木村節”を浴びまして(笑)。自分が思っていた以上に「直央ってヤバいキャラなのかもしれない」と思いました。

ーー具体的に木村節を浴びてから変わったところは?

上白石:一番最初のシーンから感じてはいました。私は直央という人物に、いわゆるゆとり世代と呼ばれるような、やる気のないダラダラした感じを想像していて。でも、木村監督の捉える直央は、もっと感情の幅に波がある感受性の豊かな子なんだなということを初日で知りました。西島さん、濱田さんと3人でいる中で、直央がどういう立ち振る舞いをするのかを客観的にイメージしながら、直央をもう一度捉え直したりもしました。

ーー確かに直央の中の波を振り返ると、第3話で刑事としての正義感が覚醒しています。感情の波の高さに合わせた演じ分けは意識していた部分なのでしょうか?

上白石:脚本を読むと、すごく波の作り方が自然で。でも、演技そのものをはっきりと分けるイメージはなかったかもしれません。直央の中で火がつくきっかけもしっかり描かれていたし、何より刑事課のみんながとてもパワフルな人たちなので、自然と直央のスイッチもそこで入ったのかなと思って演じました。

ーー演技の幅という意味では、潜入捜査の「なりきり」や衣装も独特でしたよね。

上白石:本当に、衣装はかなり独特でしたね(笑)。だからこそ、演技のイメージを作るにあたって、衣装から得られる要素もかなり多かったです。あとはこの現場の皆さんは、私が何をしても広い心で受け止めてくれるので、潜入捜査のシーンも何も気にせずに思いっきり演技をすることができました。このドラマには2つの顔があると思っていて。クスッと笑えるコミカルな面と、グッと見入るようなシリアスな面の二面性は、常に意識していました。刑事ドラマであっても、直央らしさが残るようなビビッドな感情表現を大切にしています。

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