ノーベル文学賞作家の遺灰を運ぶ長い旅 パオロ・タヴィアーニ監督作『遺灰は語る』公開へ

イタリア映画『遺灰は語る』6月23日公開

 第72回ベルリン国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞したイタリア映画『Leonora Addio(原題)』が、『遺灰は語る』の邦題で6月23日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開されることが決定した。

 日本でもヒットした『グッドモーニング・バビロン!』などで知られるイタリアの映画監督タヴィアーニ兄弟。カンヌ国際映画祭パルムドールに輝いた『父/パードレ・パドローネ』『カオス・シチリア物語』、ベルリン映画祭金熊賞を受賞した『塀の中のジュリアス・シーザー』など数々の作品を発表してきた。本作は、2018年に兄のヴィットリオ・タヴィアーニが88歳で亡くなった後、現在91歳の弟パオロ・タヴィアーニが初めて1人で監督した。

 あるノーベル文学賞作家の“遺灰”の旅を描く本作。1934年にノーベル文学賞を受賞した文豪ルイジ・ピランデッロは、「自身の灰は故郷シチリアに」と遺言を残す。しかし、時の独裁者ムッソリーニは作家の遺灰を、その名誉を利用するためにローマに留めおいた。戦後、ようやく彼の遺灰が入った壺が、ローマからシチリアへと帰還することに。シチリア島の特使がその重要な務めを命じられるのだが、アメリカ軍の飛行機に搭乗拒否されたり、壷がどこかへ消えたり、次から次へとトラブルに見舞われる。果たして、遺灰は無事にシチリアに届けられるのか。

 映画の最後にはエピローグとして、ピランデッロの遺作『釘』を映像化した短編が登場する。

パオロ・タヴィアーニ監督(エピローグの出演者とともに撮影現場にて)

■公開情報
『遺灰は語る』
6月23日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開
監督・脚本:パオロ・タヴィアーニ
出演:ファブリツィオ・フェラカーネ、マッテオ・ピッティルーティ、ロベルト・ヘルリツカ
配給:ムヴィオラ
2022/イタリア映画/90分/モノクロ&カラー/原題:Leonora Addio/字幕:磯尚太郎/字幕監修:関口英子
©Umberto Montiroli

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