『トリとロキタ』危険な仕事に手を出す本予告公開 ダルデンヌ兄弟6年ぶりの来日も決定
3月31日に公開されるジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督の新作映画『トリとロキタ』の本予告が公開された。
『ロゼッタ』『ある子供』『少年と自転車』などを手がけてきたダルデンヌ兄弟。第75回カンヌ国際映画祭で75周年記念大賞を受賞した本作は、彼らの代名詞とも言えるBGMなし、演技未経験の主演俳優、削ぎ落された作劇に加え、先の読めないサスペンスとなっている。
地中海を渡りヨーロッパへやってきた人々が大勢ベルギーに暮らしている。トリとロキタも同様にベルギー・リエージュへやってきた。トリはまだ子供だがしっかり者。十代後半のロキタはビザがないため、正規の職に就くことができない。ロキタは祖国にいる家族のために、ドラッグの運び屋をして金を稼ぐ。偽りの姉弟としてこの街で生きるふたりは、どんなときも一緒だ。年上のロキタは社会からトリを守り、トリはときに不安定になるロキタを支える。偽造ビザを手に入れるために、ロキタはさらに危険な闇組織の仕事を始める。彼らを追い詰めるのは麻薬や闇組織なのか。
公開された本予告は、ロキタがトリの学校の終わりを待ち「会いたくなった」とじゃれ合う様子やふたりで仲睦まじく歌うシーンから始まる。しかし、そんな明るい様子から事態は一転、トリは「どうして(ロキタの)ビザがおりないの?」と面接官に尋ねるが、「力になれない」と突き放されてしまう。ふたりはアフリカからやってきて、ベルギーを目指す道中で出会った偽の姉弟。祖国にいる家族への仕送りのため、ビザを取得し正規雇用に就くことを望むロキタ。現在はトリと共に麻薬の運び屋をすることで生計を立てており、警察に目をつけられるなど常に危険と隣り合わせの暮らしをしている。「ビザさえあれば働けるのに、どうしておりないの」とロキタが嘆くと「僕らが邪魔だから」とトリは返す。
ある日、密航を斡旋した仲介業者に稼いだ金をロキタは奪われる。一刻も早くビザを手に入れようと、ロキタは運び屋よりもさらに危険な仕事に手を出してしまう。目隠しされて連れてこられたのは暗くて怪しい倉庫のような場所。果たしてロキタは何をすることになるのか。そして精神的に不安定なロキタを支えるため傍にずっといたトリは、命の危険を顧みずにロキタの元へと向かう。「ぼくが守る」とロキタの手を握るトリ。再会したふたりに生き抜く道はあるのか。
また、ダルデンヌ兄弟の6年ぶりの来日が決定。2月28日には都内で行うジャパンプレミアに監督が登壇し、Q&Aで監督に質問することができる機会に。また、2017年に行われた「#おしえてダルデンヌ」の企画も再び開催される。2月10日より公式Twitter、公式Facebookにて参加することができる。
■公開情報
『トリとロキタ』
3月31日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほかにて全国順次ロードショー
監督・脚本:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
出演:パブロ・シルズ、ジョエリー・ムブンドゥ、アウバン・ウカイ、ティヒメン・フーファールツ、シャルロット・デ・ブライネ、ナデージュ・エドラオゴ、マルク・ジンガ
配給:ビターズ・エンド
2022年/ベルギー=フランス/カラー/89分/Tori et Lokita
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