『リバーサルオーケストラ』永山絢斗が突きつけた挑戦状 ついに完全復活を遂げた門脇麦

『リバーサルオーケストラ』三島の挑戦状

 『リバーサルオーケストラ』(日本テレビ系)では第1話からここまで、ポンコツオーケストラと呼ばれた玉響が少しづつ団結し、一人ひとりがプロの演奏家として自覚を持ち、音楽評論家からも認められるパフォーマンスをするまでが描かれてきた。それと並行して第1話からずっと提示されていたのが、初音(門脇麦)の記憶に刻み込まれた10年前のトラウマ。ステージから逃げ出してしまったことが恐怖として植え付けられ、初音はそれをきっかけにチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲(チャイコン)が弾けなくなってしまっていた。

 第7話では、そんな初音がテレビ出演の場でチャイコンを弾くこととなる。共演をオファーしてきた三島(永山絢斗)が生放送で「チャイコフスキー、得意だったよね?」とヴァイオリンを渡してきたのだ。

 高階フィルに参加することを知らせる記者会見で三島が「彼女は100年に1人の天才なんです」と持ち上げたことで初音は10年前の過去を曝け出され、ネットでは冷ややかな目で見られていた。三島が執拗に初音を煽るのは、同じ幼なじみであり、天才と呼ばれる立場でありながら玉響という三島にとっては「ヌルい」環境で甘やかされているからだ。その感情がいつしか苛立ち、嫉妬へと変わり、初音を試すような行動に移っていくこととなる。

 想定していなかったチャイコンに初音はたじろぐが、それでも過去のトラウマに打ち勝ち、あの日のステージから初めて綺麗な演奏を成功させる。スカートを握りしめ、強張っていた初音の表情は少しづつ柔らいでいき、音楽を楽しんでいることを感じさせる笑顔へと変わっていく。そこにあったのは大好きな玉響の団員たちの思い、そして「いつまでも立ち止まっているぐらいなら、オケも音楽も今すぐやめたらいい」とどこまでも不器用ながら初音を音楽家として認める朝陽(田中圭)の存在があった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる