『どうする家康』松本潤の未熟さが際立った本證寺潜入 古川琴音演じる巫女の妖艶な魅力

『どうする家康』松本潤の未熟さが際立つ

 空誓と対峙した家康は「なぜ城に年貢をお納めにならぬのですか?」と聞き出す。「政をしてる連中があほうだからじゃ。あほうに銭を貢いでも、あほうは戦にしか使わん。死に金じゃ」という空誓の返答に、家康はつい「戦をしたくてしているわけではない!」と声を荒らげる。「戦をせずに済むにはどうしたらいいのか教えてくだされ!」と問いただす家康に、空誓はこう答えた。

「知らん。生きとる世界が違う。苦しみを与える側と……」
「救う側じゃ」

 空誓が立ち去った後、家康の面持ちは憤っていた。家康は、国を守ろうとしている自分が民に苦しみを与えていると言われ、腹を立てたのではないだろうか。

 数日後、家康は一向宗の寺から年貢を取り立てた。「殿さんが……盗人のまねするんか……!」と怒りをあらわにする空誓とは対照的に、家康はご満悦の様子だ。道理に反すると眉をひそめる瀬名に「わしはこの国の主じゃ。何が悪い」と家康は不貞腐れていた。瀬名の言葉に不機嫌な態度を示す家康に、民、ひいては国をまとめる者としての風格はない。本證寺に潜り込んだときの家康は、空誓の言葉に聞き入る人々の姿を目にし、民の苦しみに触れたはずだが、国をまとめあげなければという焦りと不安からか、感情に任せて事を進めてしまった。その結果、家康は寺に集まる民衆の反感を買うことになる。

 第7回で初登場となった松平家家臣・長吉や渡辺守綱(木村昴)と家康のやりとりはコメディタッチで面白く、右團次演じる空誓上人のカリスマ性は家康の未熟さを際立たせる。そして千代の妖艶さ、怪しさには心惹かれるものがあった。次回のタイトルは「三河一揆でどうする!」だ。家臣でありながら一向宗の寺に出入りしていた長吉や守綱、民衆をまとめあげる空誓や千代の立ち居振る舞いが気になるところだ。

■放送情報
『どうする家康』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:松本潤
脚本:古沢良太
制作統括:磯智明
演出統括:加藤拓
音楽:稲本響
写真提供=NHK

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