堀田真由、『大奥』家光役でこれまでの経験が結実 立場によって変わる表情の振り幅

堀田真由、『大奥』家光役は新たな代表作に

 ドラマ初主演となった『サロガシー』(フジテレビ系)では、同性愛者である兄・江島聡(細田善彦)のために、代理出産するという難役に挑んだ。古い価値観の母親や職場の男性との対立や子どもへの愛情が少しずつ芽生える中での葛藤など、揺れる心情を細やかに映し出した。

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 昨年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合)では主人公・北条義時(小栗旬)の2番目の妻、比奈に抜擢。義時の最初の愛妻・八重(新垣結衣)の急逝後に嫁いだ、北条家と対立する実家・比企家の姫という複雑な境遇ながら、その可愛らしい微笑みで「八重ロス」から義時親子と視聴者を救い、両家の橋渡し役となる芯の強い姫を見事に表現した。新垣結衣、そして義時の3番目の妻・のえ役の菊地凛子という実力派の先輩俳優に挟まれながら、見劣りしない存在感を放った。

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 堀田の“多面性”が最も発揮されていたのは『いとしのニーナ』(FOD)だ。いくえみ綾の同名漫画が原作の同作は、幼なじみが起こしたある拉致事件をきっかけに、憧れの美少女・青田新名(ニーナ)のボディーガードをすることになった高校生・外山厚志(水上恒司/当時の名義は岡田健史)の不器用だけど純粋でまっすぐなラブストーリー。堀田は主人公の厚志が恋心を抱くヒロインで、美少女高校生・ニーナを務めた。

 拉致現場に助けにきた厚志に「お願い、家に返して」と目を潤ませてか懇願したかと思えば、「キモい」「死ね」「助けてやったと思ってたら、ぶっ殺してやる」と暴言を吐く。強気で小悪魔でツンデレなニーナに、厚志と視聴者は振り回されながらも、ニーナと堀田に夢中になっていった。

 ニーナの二面性、『サロガシー』での母性、大河での時代劇の経験と、家光役はまさにこれまでの経験の蓄積によって作り上げられている。難役へ挑み、共演した役者との相乗効果で表現の幅を広げて、堀田はこれからも代表作を更新し続けていくことだろう。

■放送情報
ドラマ10『大奥』
NHK総合にて、毎週火曜22:00~22:45放送
出演:福士蒼汰、堀田真由、斉藤由貴、仲里依紗、山本耕史、竜雷太、中島裕翔、冨永愛、風間俊介、貫地谷しほり、片岡愛之助ほか
原作:よしながふみ『大奥』
脚本:森下佳子
制作統括:藤並英樹
主題歌:幾田りら
音楽:KOHTA YAMAMOTO
プロデューサー:舩田遼介、松田恭典
演出:大原拓、田島彰洋、川野秀昭
写真提供=NHK
©よしながふみ/白泉社

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