『女神の教室』本格的に確立し始めた5人の結束 柊木雫を裏付けるために必要不可欠なもの
実務演習クラスの5人に対して嫌がらせをしていた“crow”という見えざる影が、柊木(北川景子)にも近付く。その一方で、藍井(山田裕貴)のゼミの選抜テストに合格した照井(南沙良)と天野(河村花)、不合格だった真中(高橋文哉)と水沢(前田拳太郎)と桐矢(前田旺志郎)との間にはぎこちない空気が流れ始める。2月13日に放送された『女神の教室〜リーガル青春白書〜』(フジテレビ系)第6話は、ロー生たちの目にはっきりと“司法試験”の輪郭が浮かぶ瞬間が見えるエピソードだ。
藍井ゼミに落ちた複数の学生から退学の申し出があったと教務主任の里崎(小堺一機)から知らされる柊木は、なにかできることはないかと考え、以前自分で解いた選抜テスト問題の答え合わせを藍井にお願いする。そんななか、風見(尾上松也)から“crow”の正体について聞かされた柊木。その人物の名前は津山邦彦(安井順平)。5年前に柊木が公判を担当した放火事件の被告人だった。津山がなぜ教え子たちに嫌がらせをしてくるのか。その理由が5年前の裁判にあると考えた柊木は、藍井と共に当時の資料から再検討を進めるのである。
今回のエピソードにはいくつかのハイライトが存在する。まず藍井ゼミに不合格になったロー生たちを励ますために頭を捻った柊木による実務演習クラスでのシーン。柊木はそこで、一人ひとりの選抜テストの答案をチェックして丁寧にコメントまで入れたうえで返却する。これはもちろん第1話で青南ローに赴任してきたばかりの柊木の最初の授業シーンと対になる描写だ。その際には非効率な答案返却に食ってかかった照井だが、今回はまるで違う反応を見せる。さながら司法試験に向けて勉強することに追われていた彼らが、たしかに司法試験を追いかける側に回ったことを示すかのように。
そしてそれは、真中の家で男子3人が集まって開いた反省会後の会話にあった選抜テストによって得た司法試験本番に向けた手応えにも同じことがいえる。明らかに彼らのなかで、司法試験に対する向き合い方が変わりつつあるのが随所に見て取れる。柊木による再検討に積極的に参加したり、大教室の授業で前方にかたまって授業を受けたり、5人が揃って神社に初詣に行くという受験モノのドラマでは鉄板ともいえる描写もしかり。実務演習クラスの5人の結束が、本格的に確立するというのはこのドラマにおいて最も必要な流れだ。