『夕暮れに、手をつなぐ』製作陣が語る北川悦吏子脚本の普遍性 広瀬すず×永瀬廉の空気感

『夕暮れに』Pが語る北川悦吏子脚本の普遍性

 広瀬すず、永瀬廉(King & Prince)演じる男女二人が一つ屋根の下で暮らし、東京で生きる若者たちのひとときを描くドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系)。本作の脚本を手がけているのは、『愛していると言ってくれ』(TBS系)、『Beautiful Life ~ふたりでいた日々~』(TBS系)、『ロングバケーション』(フジテレビ系)など、トレンディドラマ時代に一世を風靡した恋愛ドラマを世に送り出した名手・北川悦吏子だ。

 今回、2023年の現代に北川悦吏子オリジナル脚本でまっすぐな恋愛ドラマを作ろうとした狙いについて、プロデューサー陣に聞いた。

普遍的に通ずるものがあの空間に詰まっている

――1990年代から珠玉の作品を作り続けてきている北川悦吏子さんのドラマを火曜10時枠でやる上で、現代の視聴者に向けて何を意識して作っているかを教えてください。

関川友理(以下、関川):年代的にも若者の層にきちんと届けたいというのは、今回の作品を作っていく上で我々がとても考えていたことでした。実際に北川さんの書かれる会話が素晴らしくて、空豆(広瀬すず)と音(永瀬廉)のやりとりは世代を超えてみんな楽しんでもらえるんじゃないかなと思って作っています。あとは、ちょっとしたところを、今の若い層にもきちんと刺さるように少しずつ味付けを変えていたりしますね。

橋本芙美(以下、橋本):北川さんの中で、トレンディドラマの時代からずっと書き続けてきたテーマがあると思いますし、北川さんのご年齢とともに変わった部分と変わらない部分があると思っています。都会の中にこんな日本家屋が残っていて、響子(夏木マリ)のような大家さんがいて、24歳の今どきの若者が住んでいるというのは、現代にとってはファンタジー的な部分もあると思います。でも、“こういう空間があったらいいな”、“この時間がいつまでも終わらなきゃいいな”という、2人だけのノスタルジックな雰囲気が映像美とともに成立していて、普遍的に通ずるものがあの空間に詰まっているのかなと思います。なので、そこをぜひ幅広い年代の人たちに楽しんでいただけたらいいなと。

関川:今回は特に“〇〇キュン”を推していこうではないので、そういう意味では、これまでの火曜10時枠とはちょっと毛色が違うかもしれません。何もなくても、ただ空豆と音の2人がいるだけで楽しめるというのは、北川さんの脚本の力かなと思います。家のシーンでも外のシーンでも、空豆と音の空気感がいつもいいなと思いながら観ています。

――広瀬さんと永瀬さんの印象を教えてください。

久松大地(以下、久松):僕は広瀬さんとご一緒するのは初めてだったんですけど、すごく思い切りのいい芝居をするなと感じています。空豆という役が彼女にぴったりといいますか、彼女が空豆をちゃんと自分の中に取り入れて表現しているなと。永瀬くんは本当に努力家で、自分がどういうふう風に映っているのか、毎回カットがかかったらモニターをチェックしに来て、すごく勉強家だなと思います。

――響子さんのようなバブル世代を生きてきたパワフルさのある中高年世代と、音や空豆の虚無感が漂っている若者の対比を感じます。キャラクターの設定上、工夫された点はありますか?

関川:北川さんと一緒にキャストの皆さんとお会いして、皆さんの良いところを台本に落とし込んでくださっているので、本当にあて書きなんですよ。それによって、みんなの良いところが引き出されていて、そこがすごいなと思いました。大人チームに関しては作り込んでいる部分もあって、夏木(マリ)さんも松本(若菜)さんも、皆さん楽しんで演じてくださっています。空豆と音の2人をみんなが支えているような構図にはなっていて、これからもどんどん夢を持つ若者を応援したい大人がいっぱい出てくる話になっていきます。

――撮影中、キャストの皆さんはどのように過ごされているのでしょうか?

橋本:セットで広瀬さんと永瀬くんが2人でお絵かきしたりしていますよね。

関川:2人とも画伯で、とても上手に描かれていました。

橋本:アーティスティックな絵をね。初期の頃はみんなでお手玉をやったりしていましたね。

――TikTokでは、いろんな撮影現場でキャストの皆さんが踊っている動画が公開されていますね。

橋本:今「夕暮れにダンス」をみんなに覚えてもらっています。黒羽(麻璃央)さんに広瀬さんが教えていたり、松本(若菜)さんにも少ない現場の中で覚えてもらっていて。広瀬さんと永瀬さんがみんなに教えているという状況です。これがいつ出てくるのか楽しみに待っていてもらえると嬉しいです。

――皆さん、ダンスはすぐに覚えられたのでしょうか?

関川:広瀬さんは覚えるのが早かったですね。我々も含めて、みんなで一緒に覚えたんですけど、圧倒的に早く覚えられていました(笑)。

橋本:みなさん身体能力が高いですよね。黒羽さんもあっという間に覚えていて、1日で踊っていましたね。

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