尾上菊之助、『探偵ロマンス』最終回は「TikTokのよう(笑)」 続編への出演も熱望

尾上菊之助、『探偵ロマンス』最終回を語る

 第1話から映像美と巧みな人物描写で視聴者を虜にしているNHK土曜ドラマ『探偵ロマンス』。多くの視聴者を熱狂させたNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の制作チームが担当しているのに加えて、“続投”しているキャストも数多くいる。

 主演の濱田岳はもちろん、近藤芳正、土平ドンペイらに加え、『カムカムエヴリバディ』の初代ヒロイン・上白石萌音も“歌唱”で登場した。そして、最終回に向けて、ただのゲスト出演的な役割ではなかったことが判明したのが、尾上菊之助だ。

 本作の主人公・平井太郎(濱田岳)は後に作家・江戸川乱歩となる人物。菊之助は小学生の頃、乱歩作品に触れていたそう。

「図書館で見た江戸川乱歩の本が、独特の怖い雰囲気だ ったことが思い出されます。人間の感情や心の機微を繊細に描きつつも、非常にダイナミックなエンターテインメントとしての顔をもつ乱歩作品。今作でも人と人との機微、そして派手なアクションなどのエンターテインメントの両方を大事にしながら臨みました」

 第1話から「赤の部屋」に出入りする人物・住良木平吉として菊之助は登場。上海帰りの貿易商として、紳士な振る舞いと優雅な身のこなしは、「流石、尾上菊之助」と思ったものだが、正体はまさかの“怪盗”。只者じゃない存在感は、菊之助でなければ発揮できないものだった。そんな人物を菊之助は、夢を食べると言われる架空の動物・バクをイメージしていたという。

「自分は動かずに誰かを使って『人の物語』を食べてしまう、そんなイメージです。実はこの作品には1話に至るまでの、いわばエピソード0がありまして。それを読み、住良木を詳しく理解した上で作品に入らせていただきました。三郎(草刈正雄)と住良木のこれまでの物語や生い立ちなどを、脚本家の坪田文先生が全4話とは別に書いてくださったんです。住良木の冷徹さや残酷さには、生い立ちが深く関わっているんですよ。神出鬼没のラスボス的な存在なので、嫌味な雰囲気というものも大事にしつつ演じています。でも、悪い人に見えない方がかえって怖いですよね。ふとした時に悪い部分が出てくるように、普段の人との接し方はなるべく自然にあまり『悪さ』が出ないように心がけました。台本には『……』と書かれている部分も多いので、表情ですとか感情を目で表すといったことを大切にしました」

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