『トムとジェリー』実写と2Dの“楽しい融合” 理想的なCG表現となった要因とは?

『トムとジェリー』なぜ理想的なCG表現に?

 「トムとジェリー なかよくケンカしな」というフレーズは、TVアニメシリーズ『トムとジェリー』の初代日本語版オープニングソングのものだ。1940年から仲良くケンカし続けているトムとジェリーは2021年に初めて実写化され、それが2月10日の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)にて地上波初放送される。なぜ2月10日に放送されるのかというと、1940年2月10日に初めて『トムとジェリー』の短編映画が公開されたからであり、つまり彼らの誕生日だからだ。

『トムとジェリー』が『金曜ロードショー』で地上波初放送 2月10日の“誕生日”に

日本テレビ系『金曜ロードショー』にて、映画『トムとジェリー』が2月10日に地上波初放送されることが決定した。  多才だけどお調…

 トムとジェリーは短編映画として世に登場し、以降TVシリーズ化や長編映画化もされ、今なお子どもたちを中心に親しまれている。「子どもの頃にアニメを観ていた」という人も多いだろうが、最近では大人も視野に入れたグッズ展開も盛んに行われ、世代を問わず愛され続けていることが分かる。また当初から続く2匹のドタバタ劇や関係性は、『ルパン三世』をはじめとした多くの作品に影響を与えており、ネズミがチーズを好んで食べることや、チーズには穴が開いているというイメージも本作の影響が強いだろう。

『トムとジェリー』©2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

 近年ではCGや3D技術が発達したおかげで、2次元のキャラクターが3次元の世界で活躍する作品も多く作られるようになった。2019年に公開された映画『名探偵ピカチュウ』では、世界中から愛されるポケモンたちが見事な3DCGで現実世界を生きている様子が描かれ、多くのポケモンファンに「本当にポケモンがいる!」という感動を与えてくれた。またピクサー・アニメーション・スタジオが3Dアニメーションを主流にさせて以降、主に劇場公開アニメーションでは3Dで制作されたキャラクターたちが活躍しているが、意外にも本作では2Dが採用されている。

『名探偵ピカチュウ』©︎2019 Legendary and Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.©︎2019 Pokemon.

 もともとトムとジェリーは手書きの2Dアニメーションからシリーズがスタートしている。本作を制作するにあたり、監督のティム・ストーリーは過去のインタビューで「僕らみんなが知っている『トムとジェリー』のルックに、今回のトムとジェリーをちゃんと近づけることで、アイコニックなキャラクターたちに敬意を表したものになると考えました」と語っており、私たちが慣れ親しんだ2匹がそのまま登場していると感じさせるため、2D表現を敢えて採用していることが分かる。(※)

『トムとジェリー』なぜ実写と2Dアニメーションで映画化? ティム・ストーリー監督に聞く

映画『トムとジェリー』が3月19日に公開される。1940年に誕生し、2020年に生誕80周年を迎えたアニメーションシリーズを、実…

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「作品評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる