『パイレーツ・オブ・カリビアン』3部作の完璧な結末 怒涛の伏線回収が気持ちいい
3週連続で『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で放送されている『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ。1作目ではバルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)と対峙したジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)たち。2作目ではデイヴィ・ジョーンズ(ビル・ナイ)という海に囚われた海賊が登場。終盤にはジャックはジョーンズが操るクラーケンに飲み込まれていってしまった。悲しみに暮れるブラックパール号の一員たちは、ティア・ダルマ(ナオミ・ハリス)に助けを求めるが、そこに登場したのは死んだはずのバルボッサだった。
1作目は実験的に作られた映画であり、出演者もスタッフも全く成功を期待していなかった。しかし、思わぬ反響を呼び、続編として2作目が作られた。そして2作目の終わりでは続編を示唆するようなエンディングを描いたことで、よりファンの好奇心をくすぐったことだろう。
※以下、ネタバレあり
日本では2作目からおよそ1年後に公開された『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』。ジャックを救おうと、ブラックパール号と乗組員たちは世界の果てへと向かい、海を統治したい東インド貿易会社と弱みを握られたデイヴィ・ジョーンズVSブラックパール号という、かつてない大規模な戦いを見せた。
物語の冒頭で、シンガポールの海賊サオ・フェン(チョウ・ユンファ)のもとを訪れたエリザベス(キーラ・ナイトレイ)とバルボッサ。その後、海賊の評議会を開くために、カリブ海だけでなく、中国、フランス、中東などそれぞれの国を風刺的に表現したキャラクターが登場し、世界中に海賊がいることが明らかになった。ジャックの父親であるキャプテン・ティーグも登場し、生い立ちが謎だったジャックの家族関係も明かされた(ちなみに、ティーグを演じたのはロックバンド、ローリング・ストーンズのキース・リチャーズ)。そして今作は、ベケット(トム・ホランダー)とジャックの腕にある「P」のやけどについての秘密も明かされるなど、様々な設定が明らかになる伏線回収の役割を果たしていた。
また、ジャックの旅を追う一方で、ウィル(オーランド・ブルーム)とエリザベスの恋の行方も見守ってきた本シリーズ。本作で、彼らは少し悲しい結末を迎えることとなった。フライング・ダッチマン号の船長であるジョーンズを殺したことで、ウィルは新しい船長になったため、ジョーンズと同じように働かなければならなくなってしまったのだ。