宮下兼史鷹、待望の『バンバン!』日本公開に寄せて “エンターテインメントの究極”を体感

宮下兼史鷹が語る、『バンバン!』の面白さ

 お笑いコンビ・宮下草薙のツッコミとして活躍する宮下兼史鷹。芸人としての顔以外にも、ラジオや舞台など多岐にわたる活躍をしている。おもちゃ収集が趣味、サブカルチャーに精通している無類の映画好きである彼の新連載『宮下兼史鷹のムービーコマンダー』。第5回となる今回は、2月10日に公開される映画『バンバン!』の魅力について語ってもらった。

「宮下兼史鷹のムービーコマンダー」第5回『バンバン!』

「輸入版DVDを買ってまで観るか迷っていた」

――以前の連載のときから、本作の日本公開を心待ちにしていた宮下さんにとって、念願の日本上陸となりましたね。

宮下兼史鷹(以下、宮下):もう本当に感極まっている状態です。僕はもともと劇中歌である「トゥメリ」のMVを奥さんと見て、本作について知っていました。その映像がめちゃくちゃ良くて、「こんなシーンがある映画があるんだ!」って思ったわけですが、そこで見た主演のリティク・ローシャンの顔が、かっこよすぎて面白かったんです。僕は結構いろんなかっこいい人を見てきましたが、ここまでハンサム度が飛び抜けている人は、ローシャンが唯一無二と言っていいくらいなんです。「ハンサムがいきすぎると、人は笑ってしまうんだな」ってことを体現しているのがローシャンだと思います。

「トゥメリ」ダンスシーン映像

――日本語字幕のない輸入版DVDを買ってまで観るか迷っていたと伺いましたが、ついに本編を鑑賞した感想はいかがですか?

宮下:いやあ、面白かったですね。本作は『ナイト&デイ』という、トム・クルーズとキャメロン・ディアスが共演した作品のリメイクとなるわけですが、僕が驚いたのがその設定ですね。『バンバン!』はコヒヌールという伝説のダイヤモンドを巡るお話なのですが、なんとなく観ながら『ナイト&デイ』って何を巡るストーリーだったかなって思って。思い出したら、なんと向こうは“電池”だったんです(笑)。なんかハリウッド版の方がリメイクっぽいというか、『バンバン!』のほうが先みたいに感じてしまって。つまりそれって、本作がインドならではの宝石を巡る物語として、リメイクに無理のない世界観を作ることに成功しているんですよね。加えて、これはインド映画全般に言えることですが、家族への愛、人を愛する気持ち、友情などを惜しげもなく作品に詰め込んでいるんです。日本でやると、少し頬を赤らめてしまうような、恥ずかしいなって思ってしまうようなことをすごくストレートにやってくれるので、観ている側もスッと受け入れて感動できる良さがありました。

――主演のリティク・ローシャンは、『RRR』の回でも好きな俳優として挙げていましたね。

宮下:そうですね。先ほど顔について言及しましたが、彼の肉体美にも注目していただきたいんです。本作で彼はとにかく脱ぎます(笑)。作り手側の、彼の筋肉をスクリーンに映したいという意欲が伝わってくるんですよ。本当に漫画でしか見たことないような筋肉で、もはやちょっと“嘘”なんです。「こんなところに筋肉なんかないよ!」と指摘されるんじゃないかってくらい。もはや彼の筋肉だけについて、語りたいくらいの気持ちです。僕はもともと、『バンバン!』のシッダールト・アーナンド監督とリティク・ローシャンがタッグを組んだ『WAR ウォー!!』という作品が大好きだったんです。なので、僕としては「この監督ならこうしてくれるよな」という安心感がありました。アーナンド監督の作品は、ただアクションがかっこいいだけに留まらず、ホロリと泣けるようなシーンや、気持ちのいい伏線回収があって、“エンターテインメントの究極”を観ているような気分にさせられるんです。『バンバン!』を観て、改めてアーナンド監督は信頼できる監督だと感じたので、他の作品も全部チェックしたいですね。

――アクションの魅力も詰まりながら、本作はヒロインのハルリーン(カトリーナ・カイフ)とラージヴィール(リティク・ローシャン)のロマンスが中心に描かれているのも面白いですよね。

宮下:これまで職場で仕事漬けになっていたヒロインのハルリーンが、「これでいいのか」と思い始めてマッチングサイトに登録する。その流れで、ローシャン演じるラージヴィールと出会うんですよね。その出会い方が本当に少女漫画的。ラージヴィールがお店に来て、彼女を一目見て「綺麗だね」みたいなセリフを吐くんですよ。あんなこと、なかなか現実社会では起きませんよね。僕は男性だから女性がどういう気持ちで観るのか分かりませんが、あのシーンは非常に笑わせていただきました。ローシャンってすごくかっこいいんですけど……なんだろうな、日本では割と中性的な方がイケメンって言われることが今は多いですが、彼ってすごく男性的で、まさに“ハンサム”なんですよね。だから、日本で言うと舘ひろしさんが颯爽と登場してヒロインと恋に落ちる、みたいな面白さがあるんですよ。ハルリーン役のカトリーナ・カイフもかわいくて、彼にキュンキュンしながら、1人になったときに相手が言ったセリフを自分で繰り返しながら「キャー!」ってなるシーンが良かったですね。レストランで食事をしていて、化粧直しにトイレに行ったときの女性ってあんな感じなのかなって。かわいらしいシーンも多くて、ラブロマンスとしても楽しめるので、恋愛映画が好きな方も「アクションかぁ……」と毛嫌いせずに興味を持っていただければと思います。鑑賞後はみんな「リティク様」って言っているんじゃないかな。

――最初は一目惚れしても、その後一度嫌いになるのも、すごく少女漫画的な展開ですよね(笑)。

宮下:あの感情の動きが恋愛映画としてすごく見応えを出していると思います。ただただ好きでその人と結ばれたいっていうのも面白いですけど、いろいろ嘘をつかれていたハルリーンがラージヴィールのことを一回嫌いになるんですよね。そこで「この人ってどうなんだろう」って自分の中で審議する時間があって、そこも含めてとても楽しかったです。

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