パク・ソダム、『パーフェクト・ドライバー』は「絶対に映画館で!」 続編の可能性も?

パク・ソダム、主演作に込めた思い

 車と映画の相性はいい。ジャン=リュック・ゴダールをはじめ、多くの映画監督が「車があれば映画は撮れる」と言ってきたように、車は映画にダイナミズムと物語を与えてくれる装置だ。古今東西、車を題材にした映画は数多く作られてきたが、そんな車の映画史に名を連ねる俊作が誕生した。韓国映画『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』だ。

 本作は、“ワケあり”荷物を届ける特殊配送会社「特送」で働く女性ドライバー、チャン・ウナを主人公とした物語。ウナは圧倒的なドライビングテクニックで、悪徳警官や殺し屋を相手に、親を殺された少年を救うために立ち向かっていく。

 主人公パク・ウナを演じるのは、『パラサイト 半地下の家族』(以下、『パラサイト』)の“お姉ちゃん”ギジョ/ジェシカを演じたパク・ソダム。『パラサイト』とは別人の姿で、ドライビングテクニックに加え、屈強な男たちをなぎ倒していくアクションも本作では見せている。そして、『パラサイト』を観た者なら誰もが驚くのが本作のキャスティング。パク・ソダムが演じた「ジェシカ先生」の生徒パク・ダソンを演じていたチョン・ヒョンジュンと本作でも共演しているのだ。パク・ソダムにとっても、これは大きなサプライズだったという。

「パク・デミン監督も私もチョン・ヒョンジュンくんも、みんな驚いていました(笑)。実は私たちがキャスティングされたのは、『パラサイト』の公開前だったんです。本当に偶然だったんですよ。本作の撮影に入った最初の頃は、ヒョンジュンくんが私のことを『パラサイト』の役名である『ジェシカ先生!』とずっと呼んでいました(笑)。それが撮影が進むにつれて、本作の役名である『ウナさん』と呼んでくれるようになりました」

 チョン・ヒョンジュンは海外への逃亡を図った父親が殺されてしまったことにより、“返品不可”の少年となったキム・ソウォンを演じている。ひとりぼっちになった少年の孤独、ウナとの逃避行によって少しずつ大人になっていくソウォンを、チョン・ヒョンジュンだから体現できたとパク・ソダムは絶賛する。

「ヒョンジョンくんは『パラサイト』の頃とは別人のようでした。そして、撮影中は彼に何度も助けられました。撮影が続いて疲労が溜まって現場の空気が何となく悪くなっているとき、彼は即興のラップを披露してくれたり、ふざけて写真を撮ったり、場の空気を和ませてくれていたんです。また、劇中で水中でのシーンがあるのですが、私は水に怖さがあって少しためらいがあったんですね。でも、そのシーンではヒョンジョンくんがすぐに中に入って、『ウナさんも早く入っておいでー』と(笑)。遊んでいるように彼がいざなってくれたので、そのシーンもリラックスして臨むことができました。この現場の中でも彼は大きく成長していったので、年齢を重ねてどんな俳優になっていくのか、本当に楽しみです」

 自宅でも、通勤・通学中でも、いつでも映画を観ることができる時代となったが、本作は映画館で観てこその一作だ。パク・ソダムも韓国での公開後、劇場にひっそりと足を運んだという。

「自分の出演作に対して言うのは少し恥ずかしいのですが、映画館で本作を観て、本当に面白かったんです! 4DXではなかったのですが、椅子が動いていると感じられるぐらい楽しくて(笑)。実際に撮影しているときも早く完成品が観たいと思っていたのですが、その期待以上でした。新年に勢いを付けられる映画だと思うので、日本の皆さんにも絶対に映画館で観てほしいですね」

 本作の見どころはなんと言ってもドライブシーン。パク・ソダムは天才ドライバーチャン・ウナとしてとんでもないドライブテクニックを披露しているが、意外にも本人は運転が苦手だったことを明かす。

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