『いちげき』がもたらす新年を照らすエネルギー 時代劇にハマる染谷将太×町田啓太に注目
染谷将太が主演を務める正月時代劇『いちげき』(NHK総合)が、1月3日に放送となる。
NHKでは年始の風物詩となっている正月時代劇。今年オンエアとなるのは、脚本家の宮藤官九郎と、演出家の松田礼人が痛快なエンターテインメント青春活劇として実写ドラマ化した『いちげき』。永井義男の時代小説『幕末一撃必殺隊』を原案に、松本次郎が『コミック乱』と『コミック乱ツインズ』で2016年から2020年まで連載していた漫画が元となっている。
誤解を恐れずに言えば、『いちげき』は気軽に観ることができる時代劇だ。2022年に大きな話題を巻き起こした大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合)は、三谷幸喜による脚本で歴史に詳しくない視聴者にも分かりやすく、同時にコアな歴史ファンも予想できない展開で観るものを夢中にさせた。
今回、宮藤官九郎が脚本を手がける『いちげき』は、幕末の江戸の街を舞台に百姓たちが大暴れする「七人の百姓VS薩摩の侍」という構図。農民を集めて結成された特殊戦闘部隊「一撃必殺隊」の中には「イェーイ!」といった時代劇としては異例のセリフもあると聞く。
『鎌倉殿の13人』のタイトルにもなった「オンベレブンビンバ」をはじめとするユーモアが溢れたセリフ、ストーリーは『いちげき』とも共通する部分であり、ライト層にも響くポイントと言えるだろう。講談師・神田伯山による語りも爽快な青春活劇として力を添えている。
大河と正月時代劇という関係性で言えば、主演の染谷将太は大河の常連。『武蔵 MUSASHI』(2003年)、『龍馬伝』(2010年)、『江〜姫たちの戦国〜』(2011年)、『麒麟がくる』(2020年)と4作に出演しており、特に織田信長を演じた『麒麟がくる』は染谷の代表作と言っても過言ではない。最終回「本能寺の変」で見せた熱く、そして切ない演技は多くの視聴者の記憶に刻まれている。今回、染谷が演じるのは身体能力が高く、頭も切れる丑五郎(ウシ)。動物的な勘を持った、正義感溢れるキャラクターだ。