『舞いあがれ!』朝陽くん役で朝ドラ4作目 子役・又野暁仁の起用理由を制作統括が明かす

又野暁仁起用の裏側をCPが明かす

 『舞いあがれ!』(NHK総合)第12週「翼を休める島」にて、舞(福原遥)と貴司(赤楚衛二)が五島で出会う少年・朝陽(又野暁仁)。信吾(鈴木浩介)ら役場が始めた五島への留学体験の試みで祥子(高畑淳子)の家に滞在する森重親子の息子で、東京の学校に馴染めなかった少々気難しい性格の男の子だ。

 演じている又野暁仁は、NHK大阪放送局の朝ドラ常連の子役。『スカーレット』(2019年)、『おちょやん』(2020年)、『カムカムエヴリバディ』(2021年)、そして今回の『舞いあがれ!』と、大阪朝ドラには4作連続の出演となる。制作統括の熊野律時は、彼の起用の経緯について、過去の朝ドラへの出演経験と芝居の上手さが理由にあると話す。

 朝陽は母の美知留(辻本みず希)が望む「普通」と言われるところからこぼれ落ちてしまった少年で、舞や貴司がかつて抱えていた生きづらさや自分の気持ちを言葉にできない悩みを持っている。癇癪を起こし、すぐさま自分の気持ちを閉ざしてしまう朝陽だが、舞や貴司には徐々に心を開いていく。

「台本に書かれている朝陽くんというキャラクターを見事に表現してくれています。舞たちにとってはどういう子なんだろうという戸惑いから始まるわけですが、そういった“話しづらいのかな”という雰囲気を出すところからだんだんと変化していく、又野くんの素朴で素直な感じがいい形でハマっていました」

 第60回のラストでは、島の小学生と中学生が放課後に集まって星の勉強をする「星空クラブ」に自分から行きたいと笑顔を見せるようになる。「変な色、お菓子じゃない」と拒んでいた五島の郷土菓子・かんころ餅も「美味い!」とかわいらしく、喜んで口にするようになる。又野本人もまた朗らかな愛らしい少年で、撮影現場でも楽しんで芝居をしていたとのこと。祥子を演じる高畑淳子も又野の芝居に感心しており、特に彼が「美味い!」と舌鼓を打つシーンは、その変化がビビッドに共演者にも伝わり、自然な空気感を作り出している。ちなみに、又野は今回の役を通じて、「今年のクリスマスはかんころ餅が食べたい!」と言っていたほど、かんころ餅が好きになったというかわいらしいエピソードも到着している。

 朝陽は興味を持ったことはすぐに覚える、驚異的な記憶力を持つ天才肌の男の子でもある。そのことを象徴しているのが、赤い南天の実で並べられた星だ。これは脚本を手がける桑原亮子から出たアイデアだという。東京ではほかの違うもので星並べをしていたのかもしれない朝陽が、五島で身近にあるものを探した時に手に入れた、祥子の庭に咲いていた南天の実。南天はその読み方から「難を転じて福となす」という縁起の木とも呼ばれており、『舞いあがれ!』が掲げる「向かい風を受けてこそ飛行機は空高く飛べる」というキャッチコピーともリンクしている。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK

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