“グラビア女王”大原優乃がドラマで放つ存在感 “なりたい自分”を目指すストイックさ

大原優乃、グラビア女王がドラマで放つ存在感

 そんな自他ともに認める彼女の真面目さは芝居にも大いに生かされている。今回のドラマで陽芽を演じるにあたり、大原はあることを監督やスタッフに伝えたそう。それは「なりたい自分になるべく頑張る陽芽ちゃんの、ポジティブな強さを大事に演じたい」という思い(※2)。冒頭で述べたように、痩せることだけが“美”の全てではない。陽芽の美点である前向きでポジティブな強さは元からあったものだ。だから、大原はあえてダイエットの前後で陽芽を大きく演じ分けることはせず、痩せた後の陽芽にもそれ以前の面影をしっかりと残している。一方で、50kgの減量を成し遂げたという自信を、宰との恋や仕事に向き合っていく上での原動力に変えていく陽芽の成長も映し出した。

 このドラマは漫画が原作となっているが、大原はこれまでも多くの実写化作品に起用されてきた。その理由の一つとして声優としても活躍できそうなほどの魅力的な声が挙げられる。“天使の声”とも称したくなる包容力に満ちた声色は、大原がこれまで演じてきた癒し系の漫画キャラにぴったりとハマった。特に『ゆるキャン△』(テレビ東京系)で演じた各務原なでしこ役はその再現度の高さが大きな話題に。ご飯を美味しそうに食べたり、普通では考えられないドジを踏んだり、あざとくなりがちな漫画的表現も自然な形で見せられるのも彼女の力。例えば『あせとせっけん』(MBS・TBS系)で演じた八重島麻子は多汗症に悩むキャラクターだったが、大原はコミカルな表現を盛り込みつつも、演じる役の本質や状況に応じた感情を熟考した上でしっかりとリアクションに反映させる。だからその作品も単なる実写化に終わらず、観ている側も大原の演じる役を応援したくなったり共感したり、大いに心を揺さぶられるのだ。

 そんな2次元の世界を現実味のある形で3次元の世界に落とし込む大原の演技力は正直なところ、もっと評価されてもいいように思う。こうした漫画原作のラブコメディで主演を張る一方、昨年頃から『ただ離婚してないだけ』(テレビ東京系)や『僕らが殺した、最愛のキミ』(TELASA)といったサスペンスドラマでも脇役として存在感を放っている大原。真面目は真面目だけれど、決して堅すぎることはない柔軟な彼女の表現力は今後さらに多彩なジャンルで生かされていくことだろう。

参照

※1. https://www.crank-in.net/interview/63843/2
※2. https://lp.p.pia.jp/article/news/243404/index.html?detail=true

■配信情報
『-50kgのシンデレラ』
Paraviにて全話配信中
出演:犬飼貴丈、大原優乃、谷まりあ、綱啓永、南りほ、青木瞭ほか
製作著作:Paravi
制作:ソケット
脚本:皐月彩
監督:スミス、北畑龍一、吉田卓功
企画・プロデュース:櫻井雄一(ソケット)
プロデューサー:宮崎陽央(Paravi)、平岡紗哉(Paravi)、滝山直史(Paravi)
©Paravi

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる