『カーテンコール』カン・ハヌルが素朴な青年から一転 スーツ姿で見せたギャップ
一方、ドゥシムの本物の孫である、ムンソン(ノ・サンヒョン)は、韓国に行くために危険な仕事を引き受けていた。ムンソンのフラッシュバックで父親であるドゥシムの息子、ヨンフン(キム・ヨンミン)が亡くなった時のシーンが以前も出たが、何か事情がありそうだ。ムンソンは父の死をドゥシムに伝えるために韓国に渡ろうとしているようで、2人の再会がどのようなものになるのか。きっと涙なしには見られない場面となるだろう。
本作は、ジェホンを中心にした身バレのヒヤヒヤ感、ジェホン、セヨン、ドンジェ、ユニの恋の四角関係、ドゥシムと孫たちとのヒューマンドラマ、ホテル売却をめぐる親族同士の争い、とそれぞれが1本の作品として成立しそうなストーリーを巧みに絡めた脚本で見応えがある。
さまざまな出来事が起きた中で、一番心に残ったのは、ドゥシムとセギュの場面だ。3人の孫の中で一番に大人にならなければならなかったセギュ。そのセギュをちゃんと見ていた祖母ドゥシム。おばあちゃんの膝の上で甘えるセギュをチェ・デフンが上手く演じており、その姿がたまらない。一番優しく、一番愛情深いのはセギュなのかもしれない。セギュが、今後ホテル売却の渦の中に巻き込まれることになるのだろうか……。
さらに、悲劇的な北朝鮮での出来事を、迫力ある映像描写で惹き込み、対比するかのように韓国のシーンは重厚感のあるしっとりした演出で見せる。カン・ハヌルの素朴さから前髪を上げたスーツ姿のギャップは、あまりのかっこよさにドキリとさせられた。カン・ハヌルの輝きをさらに輝かせるような主役級俳優の競演は、本作自体がひとつの舞台であるかのようだ。カーテンコールは、もしかするとこの作品全てのことなのかもしれない。
■配信情報
『カーテンコール』(全16話)
Amazon Prime Videoにて配信中
出演:カン・ハヌル、ハ・ジウォン、コ・ドゥシム、クォン・サンウ、ソン・ドンイル
演出:ユン・サンホ
脚本:チョ・ソンゴル
(写真はKBS公式サイトより)