『ザ・トラベルナース』安達祐実&松尾諭、元夫婦役で流石の安定感 静の正体も明らかに

『ザ・トラベルナース』静の正体が明らかに

 安達祐実でナースといえば、『ナースのお仕事4』(フジテレビ系)を思い浮かべる人も多いだろう。2002年放送のドラマなので、今からちょうど20年前。そんなある種、節目の年に安達は現在出演中のドラマ『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日系)で再びナース役を演じている。

 安達が演じる金谷吉子は、天乃総合メディカルセンターの中堅ナース。『ザ・トラベルナース』では現在、第3話は向坂(恒松祐里)、第4話は郡司(菜々緒)と登場人物たちに順繰りスポットライトが当たっているが、その第3~4話においてもすでに異彩を放っていたのが金谷だった。事が収まるためならば平気で患者に尻も揉ませる効率主義で、観察眼が鋭いクールビューティーかと思えば、今回の第5話ではランジャタイの漫才に夢中になっているといったお笑い好きのお茶目な一面もある(『M-1グランプリ』準決勝進出者の発表があった最中に……)。

 そんな金谷の前に患者として現れるのが、講談師の五反田宝山(松尾諭)。まさかの金谷の元夫だ。その2人の関係性が明かされるのは物語後半でのこと。序盤は金谷が宝山の熱狂的ファンだということで進んでいくが、自ら宝山を受け持ちの患者に志願したのは彼の病状が心配だからであり、採血に殺気立っていたのは別れた際の恨みから。直腸がんを患っていることを思わぬ形で知り、自暴自棄になっている宝山のために、“スーパードクター”こと神野(六角精児)に恥を忍んで頭を下げていたのは、金谷だった。

 手術は無事成功。退院の日、宝山は陰で親身になってくれた金谷に「もう一度結婚してください」と大勢の前でプロポーズをするも、丁重に断られてしまう。しかし、静(中井貴一)の話している通りに、「顔も見たくないので、二度とここには来ないでください」という言葉の裏には、「病院には来ないよう、ずっと元気でいて」という“最愛のメッセージ”が込められている。ぶっきらぼうな金谷が、この時だけは病院を清々しい笑みで歩いていたーーどこまでもツンデレなナースだ。

 ゲスト出演者として宝山を演じた松尾諭は、今クールでは現在、月9『PICU 小児集中治療室』(フジテレビ系)、朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK総合)に出演中。特に『舞いあがれ!』ではヒロイン・舞(福原遥)の幼なじみの久留美(山下美月)の父・佳晴を演じており、社会復帰できずに自堕落な生活を送る姿は、今回『ザ・トラベルナース』で演じた宝山とイメージが被るところもある。松尾の人生の実話に基づくヒューマンコメディドラマ『拾われた男』での追い風は、俳優としての松尾自身にも確実に吹き始めている。

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