恒松祐里、『ザ・トラベルナース』主役回で魅力を発揮 『おかえりモネ』を思わせる演出も

恒松祐里主役回の『ザ・トラベルナース』

 岡田将生が主演を務めるドラマ『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日系)11月3日放送の第3話は、恒松祐里演じる向坂麻美がフィーチャーされる回だ。

 ユニークなのは、恒松を代表する作品をなぞらえたような、まるで当て書きとも言える演出であること。幕開けは看護師寮ナースハウスでの怪談からスタートする。看護部長の愛川(寺島しのぶ)や金谷(安達祐実)の怖い話を聞いた向坂は、夜勤での病棟に怯えていた。遠くから聞こえてくる足音、ドアの開く音。恐る恐る振り向くと、それは歩(岡田将生)と静(中井貴一)だったーーという、言ってみれば典型的なオチであるが、今年6月に公開された恒松の初主演映画『きさらぎ駅』でも見られた、恐怖しながらの振り向きを彷彿とさせもする。

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 また、向坂がその恐怖を紛らわすために電話したのが遠距離恋愛中の彼氏だった。地方出身の向坂は思わず地元の方言が飛び出す。シチュエーションこそ違うものの、その様子や口調はスーちゃんこと野村明日美を演じた朝ドラ『おかえりモネ』(NHK総合)で、上京後に地元にいる亮(永瀬廉)たちに連絡をする姿のようだ。

 向坂は“トラブルナース”として、様々な不祥事を起こしていく。会社経営者である三雲(村杉蝉之介)の点滴薬を投与ミスしてしまうのだ。度重なる病院側の失態に、三雲の妻・弓枝(杉田かおる)は激怒。それに反抗してきた歩が損害賠償を請求される立場となってしまう(どちらかと言えばトラブルナースは歩の方かもしれない)。いつも励ましてくれていた結婚する予定だった彼氏からも、浮気相手とのできちゃった婚を電話越しに告げられ、向坂は意気消沈。責任を感じ、ついには辞職願を提出してしまう。

 そんな事態を解決していくのは、やはり静だ。三雲のセクハラ&パワハラ三昧で看護師たちを困らせるモンスターペイシェントとしての姿を、向坂の担当する患者でカメラが得意の三上礼(荒木飛羽)に自主的に撮影(盗撮)させ、妻に突きつけたのだ。三雲は請求を取り下げ。向坂の辞職願はシュレッダー行きとなった。彼女は再びナースとして患者と向き合っていくことを決心する。向坂は技術も経験値も一人前と呼ぶにはほど遠い未熟なナースだが、苦しそうにしている患者の手をそっと握ることができる慈愛の心を持った人物。きっといいナースになれるはずだ。

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