『ファーストペンギン!』漁師たちがバラバラに 松本若菜が奈緒に託した水産業界の未来
『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)第7話では、船の転覆事故をきっかけにしてさんし船団丸の漁師たちがバラバラになってしまう。テレビ出演のおかげで、お魚ボックスの売上は絶好調。和佳(奈緒)も農林水産省の溝口(松本若菜)から水産業界を救うジャンヌ・ダルクになってほしいとお願いされていた最中での出来事だ。
今回から新たな人物が3人登場している。それが小森賢太郎(北川尚弥)、岡室爽(長谷川ティティ)、逢坂孝徳(矢崎広)の新人漁師たち。前回、さんし船団丸を離れた永沢(鈴木伸之)に代わる人員募集に応募してきた個性豊かな3人だ。
体育会系の岡室、玩具メーカーの元営業マンである逢坂に、中でも際立つのが小森。常にメモを持ち、考えることをせず、そのまま言われた通りに作業をしてしまう、世間知らずで空気を読まない人物。一言で言えば、ああ言えばこう言うタイプの人だ。漁師たちだけでなく、“そよそよ”こと温厚な山藤(志田未来)までをも怒らせるかなりの曲者だが、そんな小森にも片岡(堤真一)は漁師として尻に付くことを期待し、相手を思う気持ちが欠けているとアドバイスしながら、厳しくは咎めずにいた。
山中(梶原善)とも徐々に打ち解けてきたように思えたその時、事件は起こってしまう。漁の最中に、抑えのロープがブチンと切れて船が傾いてしまうのだ。磯田(吹越満)が肩を負傷する中、助かるためには網を切るしか方法はなかった。その額は1000万円。心身ともに大打撃となったさんし。山中は小森へと怒りを露わにするが、それでも小森は食い下がり出港前に確認したロープが傷んでいたこと、山中の“漁師の勘”が外れたのではと指摘する。怒りが収まらない山中は片岡に理解を求めるが、証拠もないため、あくまで中立の立場に徹する片岡に山中は失望。さんしを出て行くことを選び、磯田やほかの漁師もついていけないと散り散りになってしまうのだった。30年の仲である山中は、片岡に信じていると一言言葉をかけてほしかった。鼻をすすりながら泣き顔を見せる山中の表情が切ない。
ポイントとなるのは、この新人漁師3人のうちの1人が、地元の有力者・辰海(泉谷しげる)がさんしを潰すために仕込んだ“針”であること。一見すると、さんしをかき乱した小森のように思えるが、ボロボロの状態となったさんしに戻ってきた和佳を物陰から見つめる逢坂が怪しすぎる。針が紛れていることを知っている組合長・杉浦(梅沢富美男)がどう行動していくかが鍵となってくるだろう。
ちなみに、小森を演じる北川尚弥は、『ミュージカル『テニスの王子様』青学vs山吹』『刀剣乱舞』『フルーツバスケット』など2.5次元の舞台を中心に活躍している。第7話では、言葉を選ばずに言えば“ウザキャラ”で終わってしまっているが、ここから最終話まで出演するようなので、彼の成長と北川の演技の変化に注目していきたい。
■放送情報
『ファーストペンギン!』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:奈緒、堤真一、鈴木伸之、渡辺大知、松本若菜、ファーストサマーウイカ、遠山俊也、志田未来、中越典子、梶原善、吹越満、梅沢富美男
脚本:森下佳子
演出:内田秀実、小川通仁ほか
企画プロデューサー:武澤忠
プロデューサー:森雅弘、森有紗
チーフプロデューサー:三上絵里子
主題歌:緑黄色社会「ミチヲユケ」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
制作協力:日テレアックスオン
製作著作:日本テレビ
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