ヒロインだけじゃない! 奈緒、橋本愛、吉岡里帆ら朝ドラ親友役からブレイクした女優たち
連続テレビ小説(以下、朝ドラ)のヒロインを演じることは、若手新人女優がブレイクするための登竜門とされているが、親友役を演じたことで視聴者に注目され、その後、人気女優としてブレイクしたケースも多い。
例えば2022年の夏クールのドラマ『家庭教師のトラコ』(日本テレビ系)でミステリアスな家庭教師を演じた橋本愛の大きな転機となったのは、朝ドラ『あまちゃん』(NH総合)の出演だった。
本作で橋本はヒロインの天野アキ(能年玲奈、現在はのん)の親友でアイドルを目指す少女・足立ユイを演じた。『告白』『桐島、部活やめるってよ』といった映画で、ミステリアスな少女を演じていた橋本は『あまちゃん』に出演したことでコメディエンヌとしての才能も開花。その後、コメディテイストのミステリードラマ『ハードナッツ!~数学girlの恋する事件簿~』(NHK BSプレミアム)などで主演を務めるようになり、シリアスもコメディをこなせる大人の女優へと飛躍した。
アイドルを目指す女の子たちの話だったこともあってか、『あまちゃん』が転機となった若手女優は多い。アイドルグループ・GMT47のリーダー・入間しおりを演じた松岡茉優は、子役時代から活動する女優で、橋本と共演した映画『桐島、部活やめるってよ』で注目されていた。『あまちゃん』以降、主演作は一気に急増し、現在では若手実力派として高く評価されている。2022年の夏は坂元裕二脚本の『初恋の悪魔』(日本テレビ系)で複雑な内面を抱えた女性刑事を演じ、その演技が絶賛された。
『あまちゃん』でアキの母親・春子(小泉今日子)の若き日の姿を演じた有村架純も本作で大きく注目された一人だ。後に朝ドラ『ひよっこ』(NHK総合)で主演を務めて以降は、人気女優となり多数の映画やドラマに出演。2022年夏クールのドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』(TBS系)で、有村は中村倫也とW主演を務めた。
幕末から明治を舞台に、女性実業家の白岡あさ(波瑠)の活躍を描いた『あさが来た』(NHK総合)は、主演の波瑠だけでなく小芝風花や清原果耶といった若手女優の転機となった朝ドラだったが、その中でも予想外のブレイクを果たしたのが吉岡里帆だ。
吉岡が演じたのは、あさの娘・千代(小芝風花)の親友・田村宜。千代と宜が出会うのが女学校だったこともあってか、朝ドラの親友役でブレイクした女優と言うと、吉岡里帆が真っ先に思い浮かぶ。メガネに赤い着物というインパクトのあるビジュアルの強さもあってか、大きな役ではないのに、脇にいるだけで妙に気になる面白いキャラクターだった。
本作以降、吉岡は『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)や『カルテット』(TBS系)といった話題作に次々と出演し、人気女優として一気に駆け上がっていく。近作では聾唖者の父親と娘の関係を描いたホームドラマ『しずかちゃんとパパ』(NHK BSプレミアム)で演じた野々村静が印象的だった。