土屋太鳳、王道ヒロインから鬼気迫る演技まで 『世にも奇妙な物語』で映し出す心情の変化

土屋太鳳、王道ヒロインから鬼気迫る演技まで

 一方で、映画『るろうに剣心』シリーズでは拳法の使い手である巻町操役で見事なアクションを披露。クライマーの“ウサギ”を演じているNetflixシリーズ『今際の国のアリス』でも、タンクトップ姿でクライミングアクションをこなす軽やかな動きや鍛え抜かれた肉体美に目が留まる。このように幼い頃から様々なスポーツに親しみ、育んできた身体能力の高さを活かす役柄も多い。

 また運動に限らず、土屋は日本舞踊やピアノ、三味線、乗馬など多彩な趣味・特技を持つことでも有名。その好奇心やチャレンジ精神は女優として役の幅を広げるのにも一役買っている。近年は映画『累 -かさね-』や『哀愁しんでれら』での鬼気迫る演技も話題に。どちらも特殊な状況下で人間の負の感情を煮詰めていくような役どころ。ともすれば共感できずに終わってしまいそうなところだが、土屋が演じることによりそのキャラクターの持つピュアな一面が残存する。『やんごとなき一族』も同じで現実とはかけ離れた設定ではあったが、土屋の繊細かつ大胆な喜怒哀楽の演技に心揺さぶられた。彼女が体現する気高く美しい女性像に励まされた人も多いのではないだろうか。

 同作に引き続き、水戸祐介が演出を担当する『元カレと三角関係』も「元カレを名乗るロボットが突然現れる」という奇妙な設定だが、やがて切なくもあたたかい愛の物語に昇華されていく。恋人が自分のことを本当に愛してくれているのか不安に思ったり、喧嘩別れした元彼の優しさに昔を思い出して切なくなったり。そういう誰もが味わったことのあるミカの心情を30分という短い時間で映し出す土屋のお芝居に注目してほしい。

■放送情報
土曜プレミアム『世にも奇妙な物語’22 秋の特別編』
フジテレビ系にて、11月12日(土) 21:00~23:10放送
ストーリーテラー:タモリ

『元カレと三角関係』
出演:土屋太鳳、上杉柊平、木村昴ほか
原作:Ququ『元カレと三角関係』(「死んだ彼氏の脳味噌の話」より)KADOKAWA刊
脚本:いながわ亜美
演出:水戸祐介

編成企画:渡辺恒也、狩野雄太
プロデュース:中村亮太
制作:フジテレビ
制作著作:共同テレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/kimyo/
公式Twitter:https://twitter.com/yonimo1990

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