『エルピス』問題プロデューサー役も好演 作り手たちから信頼される俳優・岡部たかし

作り手たちに信頼される岡部たかし

 現在放送中のドラマ『エルピスー希望、あるいは災いー』(カンテレ・フジテレビ系)で、主人公の浅川恵那(長澤まさみ)が出演する情報番組『フライデーボンボン』のプロデューサーで、会社や打ち上げの場でセクハラ、パワハラばかりしているが、どこかそれだけではないように思われて、気になる存在になりつつあるキャラクターの村井喬一。演じているのは、岡部たかしだ。

 岡部は、劇団東京乾電池出身。阿佐ヶ谷姉妹のふたりとは東京乾電池の同期であり、姉・江里子とは同い年。2018年に放送された『ゴッドタン』(テレビ東京系)「私の落とし方発表会」で、江里子が演じる主人公の幼なじみのアキオ役で出演したこともあった。この「私の落とし方発表会」は、「私はこうされたら恋におちます」という物語を、自分自身が書いて、自分自身で演じるという企画。阿佐ヶ谷姉妹のブログによると、「もちろんお相手役は私からの指名ではなく、番組の方で選んでいただいているのですが、相手がおかっちと聞いた時は、声を出して驚いたものです」とそのときのことをつづり、同期・岡部とのツーショット、美穂とのスリーショット写真が掲載されていた。(※1)

 『ゴッドタン』のプロデューサーは、テレビ東京を退社し現在はラジオパーソナリティや、テレビでMCも務める佐久間宣行で、岡部の出演も、佐久間によるものだったという。「澤本・権八のすぐに終わりますから。アドタイ出張所」での佐久間がゲストの座談会を読むと、佐久間が下北沢などの小劇場に通っており、岡部のほかにも、ハイバイの岩井秀人や、岡部と演劇ユニット「切実」などで共演の岩谷健司などをブッキングしていた経緯がわかる。(※2)

 実際、筆者が岡部のことを把握したのも、山内ケンジ主宰の城山羊の会がきっかけであったと思う。その後もテレビや映画で岡部が出ているのを観るたびに、気になる存在になっていった。一度覚えたら、あそこにも出ていた、ここにも出ていたという俳優の一人である。

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 2018年あたりから、出演作品も増えていく。ディーン・フジオカ主演の『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』(フジテレビ系)では、弁護士役として第5話に登場。この当時、漫画レンタル『Renta!』のCMで、麻生久美子に「マンガいいよな」と言いながらも、「でもさ、仕事にメリットのある本も読んどかないと」と言って、頭にポンッと本をぶつけ少々イラっとさせる上司を演じていたので、テレビで見かけることも多くなっていた。

 佐久間のように、小劇場で岡部を知り、なにかと起用する業界人は多いようで、大根仁演出の作品での活躍も多い。2018年の映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』では、篠原涼子演じるヒロイン、阿部奈美の夫役を演じていたし、2020年放送のドラマ『共演NG』(テレビ東京系)では、ちょっとウザいドラマの演出家・池田匠を演じていた。

 また、『カルテット』(TBS系)、『スイッチ』(テレビ朝日系)、映画『花束みたいな恋をした』など、坂元裕二の脚本作品にも出演している。

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