『ファーストペンギン!』堤真一と渡辺大知の関係性が明らかに 描かれた2つの親子の絆
『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)第5話は、あまりの情報量の多さと怒涛の展開に頭が追いつかなくなるような回だ。
一旦整理したい。和佳(奈緒)が「先生」と呼ぶ相談相手・琴平祐介(渡辺大知)は、片岡(堤真一)の息子だった。正確には片岡の亡くなった妻・みやこ(中越典子)の連れ子。高校時代、みやこの病死をきっかけにして祐介は医者を志すようになったが、その頃には港は活気を失っており、2人の幼い妹のために母方の実家、琴平家の養子となった。祐介の決断に片岡は激怒し、絶縁を言い渡したのだった。
祐介は和佳を介して東京から父に親孝行を行っていた。その事実を知った磯田(吹越満)と山中(梶原善)の説得の甲斐もあり、片岡は祐介に歩み寄りはじめる。それから話題は、2人で動物園に行った仲の和佳と祐介の関係性に。自然に結婚を認めるムードとなっていくが……。「結婚は誰ともするつもりはありません」と意志の固い祐介。彼は男性の同性愛者であり、パートナーと山口県で病院を一緒に開業する予定だというのだ。
祐介の告白にその場にいた片岡や和佳たちは動揺を隠せない。あまりに酷い言葉を投げかける片岡だが、東京に比べて地域の繋がりが強い地方都市では同性愛者に対しての理解が遅れていたり、周囲の目を気にするというのは否めない事実でもあるだろう。そのことは祐介も覚悟している。「それでもそうしたいんだよ」と和佳は片岡に祐介への理解を求めるのだった。
『ファーストペンギン!』はラブロマンスを描いていくかのように見せかけて、そこを華麗に裏切っていくところが面白い。従来のドラマであれば和佳の再婚相手、つまりは和佳の大事な一人息子・スッくんこと進(石塚陸翔)のパパになるのは誰なのかというポイントをことごとく潰していく。和佳に優しく手を差し伸べてきた若手漁師の永沢(鈴木伸之)もまた和佳には気持ちがなく、子供ができたのを理由に「今月で会社辞めます」と社長である和佳に告げる衝撃のラストを含めてだ。“加トちゃん婚“の可能性がありそうな片岡も結局は和佳の奥に亡き妻を見ているということでもある。