『ファーストペンギン!』堤真一が見せた極道の一面 ロマンで漁師の心を揺り動かした奈緒
堤真一といえば、ブレイクのきっかけの一つとなったドラマ『やまとなでしこ』(2000年/フジテレビ系)から、近年では大河ドラマ『青天を衝け』(2021年/NHK総合)まで、誠実で爽やかな役が代表作に挙げられる一方で、映画『土竜の唄』シリーズや『地獄でなぜ悪い』、『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』、ドラマ『セーラー服と機関銃』(2006年/TBS系)、ゲーム『龍が如く7 光と闇の行方』まで、任侠を描いた数々の作品に出演していることでも知られている。
『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)第4話は、そんな堤の極道の一面をクローズアップした回である。和佳(奈緒)が社長を務めるさんし船団丸の漁師たちは、東京のフレンチレストランのシェフ・流山(速水もこみち)から食事の誘いを受ける。クレームが後を絶たない「お魚ボックス」。その原因は、漁師がどのようにお店で自分達の魚が調理されているのかを想像できていないところにあるのではと流山は考えたのだった。
自腹研修費として、65万円(東京までの交通費5万円×12人)をかけて漁師たちに否が応でも“分からせる“ことを決めた和佳。だが、漁師たちも東京のシェフにナメられちゃ困ると派手なスーツで参上。磯田(吹越満)は白スーツに紫のシャツ、さらにサングラス(いぶし銀!)。山中(梶原善)は髪をオールバックに、そして先頭を切る片岡(堤真一)はほかの漁師に比べればまだマシな装いなのだが、得も言われぬ凄みがある。
それが全開になるのが流山を目の前にした際だ。ドスの利いた声とその表情(梶原善がいちばん楽しそう)は輩以外の何者でもないが、それでも流山は彼らに動じることなく、自身のレストランへと招き入れる。「入るど、野郎ども」というセリフには、和佳も羞恥心を覚えてしまうほどだった。